病害虫のツマジロクサヨトウ 茨城、高知でも発見2019年8月21日
イネやトウモロコシに寄生する病害虫のガ、ツマジロクサヨトウのまん延が心配されるなか8月20日、茨城県と高知県でもツマジロクサヨトウの幼虫が確認された。7月に国内では初めて鹿児島県で確認されてから、九州以外で確認されるのは初めて。今後、さらに発生が広がる可能性もあり、農林水産省と各県などは、早期発見と農薬散布による防除などを呼び掛けている。
茨城県で確認したツマジロクサヨトウの幼虫。特徴あるY字模様のある頭部と尾部
◆本州では初めて
茨城県でツマジロクサヨトウの発生が見つかったのは本州では初めて。農水省の指示を受け、7月から毎週、飼料用トウモロコシの5ほ場で調査を行っていたところ、8月14日に水戸市のほ場でツマジロクサヨトウに似た幼虫を見つけた。数株の新芽に食害を受けた跡と糞があり、近くに幼虫がいた。
茨木県病害虫防除所の担当者は、「見極めは難しいが、食害が他の害虫よりやや激しく、発見したほ場では30~40cmの若いトウモロコシがやられた。刈り取り前など丈が目線より高くなったものは見つけにくいが、たまたま低いものがあったので見つけられた」と話す。
茨城県では、農薬を使った早期防除を行い、収穫期に近いトウモロコシは早めに刈り取りサイレージを実施することを呼びかけている。また、同県は酪農が盛んで資料用トウモロコシの栽培やスイートコーンの産地でもあることからこの事態を重くみており、23日に市町村と農協を対象に対策会議を行う。
食害の初期(左)と被害の状況が進展した飼料用とうもろこし
一方、高知県では8月9日、高知県の西の端に位置する大月町のスイートコーンのほ場で頭部に特徴的なY字模様のある幼虫を発見。神戸植物防疫所が確認し、ツマジロクサヨトウと判明した。同県では、発生した農場に薬剤防除を実施。スイートコーンは主力品目ではなく収穫期も終わるため当面のまん延は防いだとみている。
(写真はいずれも茨城県病害虫防除所提供)
(関連記事)
・病害虫のガ「ツマジロクサヨトウ」蔓延防止で全国対策 農林水産省(19.07.19)
・病害虫「ツマジロクサヨトウ」九州6県で発生を確認 農林水産省(19.07.18)
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