全国シルクビジネス協議会を発足 シルク産業復興へ向け連携2019年9月24日
国産シルクの需要拡大と国内シルク産業の振興をめざし9月13日、全国シルクビジネス協議会が発足した。シルク関連業界の川上から川下の連携を強化する。養蚕農家、シルク関連事業者および研究機関が連携することで、新しい商品開発や用途開拓を図る。
かつては日本を代表する産業だったシルク産業は、生糸の国内外価格差や生活環境の変化、繭生産農家の減少などにより衰退してきた。一方で、近年は川上から川下までがグループを形成し、特徴ある蚕品種を活かした純国産絹製品づくりや遺伝子組み換え蚕を利用した新たなシルクの生産が可能になるなど、新たな取り組みも始まっている。
現状ではこうした動きは個々の事業者が独自に取り組んでいる段階で、業界を通じた連携が図られていないことから、全国シルクビジネス協議会を発足することになった。
この日、設立総会後に行った会見で、会長に就任した大日本蚕糸会会頭の小林芳雄氏は、「シルクに新しい機能を持たせたり、繊維以外の用途に昆虫としての蚕の力を使おうという研究も進んでおり、シルクは新しい産業用途の可能性を秘めている。関係者が集まり情報交換することで、ビジネスとしてどうすれば新しいものができるか連携していきたい」と話した。
農研機構は、2000年に遺伝子組み換え蚕に成功し、この技術を基盤に繊維そのものの高付加価値化をめざし光るシルクや極細糸の繊細でエレガントな織物を作った。
副会長に就任した農研機構 生物機能利用研究部門長の吉永優氏は、「繊維用途以外でも、蚕で作ったたんぱく質は純度が高く、検査薬や化粧品、バイオ医薬品を作る動きもある。さまざまな成果を協議会の連携の中で川下までしっかり届けられるよう取り組みを進めていきたい」と話した。
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