かつお一本釣り漁船がMSC認証取得を目指す 高知と宮崎の漁協2019年11月11日
高知県の高知かつお漁協と宮崎県の南郷漁協に所属する近海一本釣り漁船19隻が、2021年夏までに持続可能な漁業の認証制度として国際的に知られるMSC認証取得を目指して協働して取り組むことに合意したと、両漁協が11月6日に発表した。
2020年春に認証機関による審査を開始し、1年から1年半の審査を経て、21年夏頃の認証取得を目指す。順調に認証が取得できれば、両漁協に所属するかつお一本釣り漁船21隻は、21年夏頃からカツオとビンナガマグロにMSCの「海のエコラベル」を付けて販売することになる。
MSC認証は、MSC(海洋管理協議会・本部イギリス)が運営・管理する認証制度。認証機関が「MSC漁業認証規格」に基づき厳格な審査を行い、▽対象とする水産資源の持続可能性、▽海洋生態系への影響、▽適切な管理システム、という3つの原則を満たすことを示すことで、MSC漁業認証を取得できる。
こうして認証を取得した漁業で獲られた水産物は、非認証のものが混ざらないようトレーサビリティーが確保された経路で加工・流通することで、消費者に「MSCのエコラベル」付きの製品として販売ができる。
高知かつお漁協と南郷漁協に所属する近海一本釣り漁船による漁業は、春先に鹿児島近海で始まり、黒潮に乗って北上するカツオの群れを追って千葉県沖や宮城県沖などで操業する。
MSC認証の取得により、カツオ一本釣り漁業が持続可能であることを消費者に知ってもらうとともに、MSC認証水産物の需要が高い欧米への輸出を拡大することで魚価の安定を図るとしている。
また、両漁協は近く協議会を発足し、カツオやビンナガマグロを取り扱う関係者にMSC認証の取り組みへの理解を求めていく。
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