審議すれば国民に疑念説明できる-種苗法改正案で江藤農相2020年5月22日
江藤拓農相は5月22日の会見で種苗法改正案の今国会での審議入りを見送る方向に与党がなっていることについて「自分としては見送りが決定したとは受け止めていない」、「審議を通じて農家にも国民にも法案の必要性、疑念に思っている点に十分に説明ができると思っている」と話し今国会での審議、成立を求めた。
江藤拓 農相
国会審議はあくまで国会の議院運営委員会などが決めることとしながら「権利というものはいつ侵害されるか分からない」と強調し、今国会で政府が提出している登録品種の海外流出防止を目的とした種苗法改正案が成立すれば、12月には品種保護の国際的な条約であるUPOV(ユポフ)条約の加盟76か国に対して通知して規制をかけることによって海外流出防止ができると指摘した。江藤農相は「秋以降はいちばん種苗、苗木が動く季節。それまでに法案を成立させたいという気持ちに今でも変わりがない」と述べたほか、コロナ対策が一義的だとしながらも「これがあるから種苗法の議論ができないのかといえば必ずしもそうではない。不要でもないし、急ぐ理由がないということでもない。まだ審議に入れる可能性はあると思っている」と話した。
一方、種苗法改正案については芸能人からも農家が苦境に陥るなど懸念の声がツイッターに上がったことについて「誤解もあると思うが、農家の経営に関心を持っていただけることは有り難い面もある」と話した。また、「農は国の基、という思いが国民に広く共有されているとはなかなか思えない。(食料は)あって当たり前、輸入も普通にできるし農家はまじめに現場で生産活動するし食に困ることはないのだという感覚になっているがぜひ関心を持ってほしい」と述べるとともに、改正の狙いについて「日本としての強みを守ることが必要だ。種苗が海外に流出することは日本が得られるべき利益(が流出すること)、それが農家の所得になっていたらどれほどのことになったかということに思いを馳せてもらいたい」、「国益を守る。農家の得られるべき利益を守るという効果を現場で発揮することを強く希望している」と強調した。
江藤農相は19日の会見で自家増殖については一般品種について何の制限もなく改正後も変わらないことや一般品種が米では84%、みかんでは98%を占めることなどを指摘した。また、登録品種の許諾料についてもイネで10aあたり種苗代が1600円、そのうち許諾料金が2円56銭であることや、品種登録をしている農研機構など公的機関が「法律が改正されたからといって料金を上げることはまずありえない」とも述べ「権利を守ることについては一刻の猶予もならない」と強調した。(写真は昨年9月の大臣就任時)
重要な記事
最新の記事
-
(394)Climate stripes(気候ストライプ)【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年7月26日
-
地域医療の実態 診療報酬に反映を JA全厚連が決議2024年7月26日
-
取扱高 過去最高の930億円 日本文化厚生連決算2024年7月26日
-
【人事異動】JA全厚生連 新理事長に歸山好尚氏(7月25日)2024年7月26日
-
【警報】果樹全般に果樹カメムシ類 県下全域で最大限の警戒を 鳥取県2024年7月26日
-
【注意報】イネに斑点米カメムシ類 県下全域で多発のおそれ 山形県2024年7月26日
-
今が旬の「夏酒」日本の酒情報館で提案 日本酒造組合中央会2024年7月26日
-
ヤンマーマルシェ、タキイ種苗と食育企画「とりたて野菜の料理教室」開催 カゴメ2024年7月26日
-
「ごろん丸ごと国産みかんヨーグルト」再登場 全国のローソンで発売 北海道乳業2024年7月26日
-
物価高騰が実質消費を抑制 外食産業市場動向調査6月度2024年7月26日
-
農機具王「サマーセール」開催 8月1日から リンク2024年7月26日
-
能登工場で育った「奇跡のぶなしめじ」商品化 25日から数量限定で受注開始 ミスズライフ2024年7月26日
-
東京・茅場町の屋上菜園で「ハーブの日」を楽しむイベント開催 エスビー食品2024年7月26日
-
鳥インフル 米国オハイオ州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2024年7月26日
-
大玉すいか販売大幅減 小玉「ピノ・ガール」は前年比146.8% 農業総研2024年7月26日
-
千葉県市原市 特産の梨 担い手確保・育成へ 全国から研修生募集2024年7月26日
-
水産・農畜産振興 自治体との共創事例紹介でウェビナー開催 フーディソン2024年7月26日
-
新規除草剤「ラピディシル」アルゼンチンで農薬登録を取得 住友化学2024年7月26日
-
自由研究に「物流・ITおしごと体験」8月は14回開催 パルシステム連合会2024年7月26日
-
高槻市特産「服部越瓜」の漬け込み作業が最盛期2024年7月26日