食の国産品志向は74% 30年7月調査以降ほぼ横ばい 日本公庫の消費者動向調査2020年8月7日
食料品を購入する際、「国産品かどうかを気にかける」人の割合は74.0%となり、平成30年7月の調査結果からほぼ同様の傾向が続いている。輸入品より割高でも国産品を選ぶとの回答も横ばいだが、増加傾向だった国産品にこだわらない人の割合は1.1ポイントの微減となっている。
全国の20~70歳代の男女2000人(各々1000人)にインターネットを通じて実施した調査で、時期は7月1日。
「食」についての志向は健康、経済性、簡便化の3つが上位を占め、傾向的には従来通り。それらのうち経済性(37.7%)のみ前回を上回ったのが特徴としているが、3大志向以外にも、安全志向(21.0%)や手作り志向(21.3%)、美食志向(10.9%)も順に1.7ポイント、0.2ポイント、0.7ポイントのとわずかに増えている。
食料品の購入時に「国産か否か」を気にかける人の割合は74.0%で、8割を上回った平成30年1月の調査から73.4%と7割台に落ち込んだ同年7月の調査以降、同様の傾向を今回も維持した。
年齢が高まるほど国産品にこだわる傾向も変わらず、20歳代(58.7%)と70歳代(85.6%)とでは26.9ポイントもの開きがある。
国産食品は値段が高い半面安全、輸入食品は安い反面安全ではないとする大まかなイメージは今回も変わらないが、減少傾向を続けていた国産食品が高いとみる割合が前回調査より4.4ポイント増えた。国産品に割高感を抱く人がやや増えていることが分かる。
一方、輸入食品の安全面に問題があるとみる人の割合も今回調査で増加に転じ、前回調査(33.0%)から2.3ポイント増の35.3%となっている。
国産品に割高感を抱きつつ、輸入食品の安全面にも不安を抱える人がやや増えているもようだ。
割高でも国産品を選ぶ人は約6割(59.0%)で前回と同じだが、増加傾向だった「国産品へのこだわりはない」とする人の割合は、前回(16.7%)より2.1ポイント減の15.6%となった。
割高でも国産品を選ぶとした割合の中で最も多かったのは「3割超でも」とする回答で、「1割高まで」16.4%、「同等価格なら」15.4%、「3割高まで」9.3%などが続いている。
今回の調査では新型コロナウイルスの影響に関しても聞いている。感染症の拡大を受け、25.8%(男性21.5%、女性30.1%)が食品の購入方法に変化が生じたと回答。利用が増えた購入方法を多い順に並べると、インターネット(38.0%)、量販店・スーパー(29.1%)、テイクアウト(27.3%)、ドラッグストア(17.8%)などとなっている。
インターネット購入の利用は各年代とも女性より男性の方が多く、とりわけ30歳代(51.4%)、60歳代(53.7%)、70歳代(45.5%)で高い傾向にある。インターネットやテイクアウトを利用した人に印象を訪ねると、「悪くない」との声がいずれも6~7割を占めた。
コロナの影響で増えた自宅での調理時間や回数について尋ねると、全体で32.9%、とくに女性の42.4%が時間、回数ともに増えたと回答。40歳代の女性は53.9%と半数以上が増えたとしている。
調理の時間や回数が増えたとした人に配慮したことなどについて聞くと、健康(77.0%)と食費の節約(71.8%)がいずれも7割を超えた。健康と回答した女性の44.3%が「保存食品の購入」、33.3%が「新メニューも料理」といった具体的行動を起こしていて、保存食品の購入は30~50歳代で、「新メニューも料理」は70歳代で目立った。
食費の節約と回答した人の場合、20歳代の女性は「大容量でまとめ買い」が最多、30~70歳代では「保存食品の購入」が最も多かった。
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