ミナミアオカメムシを初確認 茨城県病害虫防除所2020年9月29日
茨城県病害虫防除所は9月28日、ミナミアオカメムシを県内の水稲ほ場で初めて確認し、「特殊報」を発した。
ミナミアオカメムシ成虫(円内の小楯板上端に 3 つの白い斑点)(左)と腹部背面(円内が一様に緑色)
今年8月、県南地域に設置した予察灯にこれまで県内未発生だったミナミアオカメムシが誘殺され、同地域の水稲ほ場でもカメムシ幼虫を確認した。この幼虫を飼育し成長後の形態的特徴などを調査した結果、ミナミアオカメムシであることが判明したもの。
体長は12~16ミリ。外見は3つの白い斑点が小楯板上端にあるアオクサカメムシに酷似しているが、アオクサカメムシの腹部背面が黒色なのに対し、緑色である点で識別が可能。遺伝的変異があり、様々な色彩型がある。
世界各地の熱帯から亜熱帯、温帯地方南部に広く分布し、日本では1950年まで九州地方を中心に発生していた。以後、西日本を中心に広がり、近年は関東地方でも確認されるようになった。平成22年以降、千葉県、神奈川県、東京都、埼玉県で特殊報が発信されている。
成虫、幼虫とも口針で植物の汁液を吸汁し、水稲や大豆、野菜類、果樹類など32科145種と広範にわたる植物を吸汁することで知られている。水稲の場合は穂を吸汁して斑点米を生じさせる。
斑点カメムシの中では比較的大型であり、低密度で生息していても被害は大きくなる。
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防除法は、カメムシ類に登録のある農薬を使用する。
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