タバコノミハムシを県内で初確認 兵庫県2020年11月6日
兵庫県病害虫防除所はタバコノミハムシの食害を初めて確認し、11月4日に病害虫発生予察特殊報第2号を発表した。
タバコノミハムシ成虫と形態的特徴
9月に県南部地域の露地ナスほ場で葉を食害するハムシ類成虫を確認。続く10月には同地域のトマト栽培施設で、葉を食害するハムシ類成虫が確認された。これらを農林水産省神戸植物防疫所に同定を依頼したところ、いずれも同県では未確認のタバコノミハムシ(Epitrix hirtipennis(Melsheimer))と判明した。
この虫は中央~北アメリカを原産とする外来種で、国内では平成23年に群馬県で初めて確認された。その後、平成24年に栃木県、平成25年に神奈川県、平成27年に静岡県、平成28年に愛知県、平成29年に三重県、岐阜県で発生。平成30年には大分県、新潟県、令和元年に奈良県、滋賀県、岡山県、大阪府、京都府、そして令和2年は山梨県、和歌山県、長野県、広島県で発生が報告されている。
成虫の体長は1.5~2.5mm、体型は長楕円形でやや扁平で、後腿節が顕著に肥大している。体色はやや光沢のある赤褐色をしており、上翅に不明瞭な黒斑がある。
ナスの被害葉(左)、トマトの被害葉
主にナス科作物を食害し、国内ではこれまでナス、トマト、ジャガイモ、ホオズキ等への加害が報告されている。成虫は発達した後脚により活発に跳躍し、関東地方では5月から11月にかけて成虫の発生を確認している。卵は地表に産み付けられ、孵化した幼虫は地中で根を食害した後、地表近くで蛹化する。成虫は落葉等の下で越冬する。
被害の特徴として、成虫は葉の表皮を残して食害するため、直径1~2mm程度白い点状の食害痕が観察され、貫通して食害されると円形の穴が空く。現在のところ、葉や花弁以外の被害は報告されていない。
防除対策では10月現在、この虫に対する登録農薬はないが、これまでに発生が認められた園地では、減農薬、無農薬栽培が行われている事例がほとんどで、通常の薬剤防除を行っていれば、重大な被害が発生する可能性は低いと考えられる。
近隣のナス科植物への移動を防ぐため、この種に加害された作物は栽培終了後、速やかに残渣さを処分するよう促している。
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