県内で初めてタバコノミハムシを確認 高知県2020年12月25日
高知県病害虫防除所はタバコノミハムシの食害を初めて確認し、12月24日に特殊報第4号を発表した。
タバコノミハムシ成虫
12月に県東部の施設ナスほ場で、葉を食害するハムシ類の成虫を確認。採集した成虫を農水省神戸植物防疫所に同定を依頼したところ、これまで同県では未確認のタバコノミハムシと判明した。
この種は中央~北アメリカを原産とする外来種で、国内では、平成23年に群馬県で初めて発生を確認。その後、関東・東海地方を中心に拡大し、令和元年以降は奈良県、滋賀県、大阪府の近畿地方の他、岡山県や広島県など中国地方でも確認されており、これまで19府県で発生報告がある。発生事例のほとんどが減農薬や無農薬栽培のほ場で確認されている。
成虫の体長は1.5~2.5mm、長楕円形でやや扁平。体は密な短刺毛に覆われ、後脚の腿節が顕著に肥大している。体色はやや光沢のある赤褐色で、上翅には不明瞭な黒斑がある。
ナス科植物を食害し、国内ではナスやトマト、ジャガイモ、ホオズキなどへの加害が報告されている。
成虫は刺激を受けると、後脚を使い大きく跳ねる。卵は地表に産み付けられ、ふ化した幼虫は地中で根を食害した後、地表近くで蛹化する。原産地の北アメリカでは、年に4世代を経過し成虫は落葉下で越冬するが、国内での生態は不明となっている。
被害の特徴として、成虫は葉の表皮を残して食害、または葉を貫通して食害する。このため、直径1~2mm程度の白い斑点状の食害痕や円形の穴が多数みられ、葉が生長すると被害痕が円形の大きな穴になる。
現時点ではナスやその他の作物で、この種に適用登録のある農薬はない。ナス科植物の栽培終了時には、この種の近隣作物への移動を防ぐため、蒸し込み処理を行った後に残渣を処分をするよう注意を呼びかけ、防除の徹底を促している。
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