サトウキビのメイチュウ類多発で注意報 沖縄県2021年3月31日
沖縄県病害虫防除技術センターは与那国島で、サトウキビのメイチュウ類(カンシャシンクイハマキおよびイネヨトウ)の発生が多発していることから、病害虫発生予察注意報第13号を3月29日に発表した。
イネヨトウ幼虫与那国島で行った3月の新植夏植と株出しほ場での芯枯茎調査の結果、芯枯茎率に基づく発生程度は石垣島が3.3%で「少」だったのに対し、与那国島芯枯茎率22.4%で「甚」と判定された。同センターでは、1月の離島地域での調査で、サトウキビのメイチュウ類の発生がやや多いことを受け、注意報第12号を発令し注意を呼びかけていた。
メイチュウ類は被害ほ場とイネ科雑草が発生源となり、ほ場に侵入する。ふ化幼虫は葉鞘内側を下降し節部の芽や根帯から食入し、生長点を加害し芯枯を起こす。
カンシャシンクイハマキは沖縄で年6~7世代を重ね周年発生する。卵は葉や茎に1~数卵ずつ産み付けられ、1雌当たりの生涯産卵数は200~500卵となる。その被害はほ場内に散在的に発生する。
イネヨトウは沖縄では年5~7世代を重ね周年発生する。卵は葉鞘の裏側に卵塊で産み付けられ、1雌当たりの生涯産卵数は400~700卵に達する。初期被害はほ場周縁部でみられ、ほ場内でスポット状や畝に沿って被害が拡大する。被害が集中的に起こるため、生育初期に加害されると坪枯れを起こすこともある。
与那国島被害ほ場防除対策は次のとおり。
(1)ほ場および周辺の除草を徹底する。
(2)発芽揃期から有効分けつ期の芯枯れを防止するため、食入初期の幼虫を対象に薬剤防除を行う。
(3)乳剤の場合は葉鞘内に薬液が浸透するように丁寧に散布する。粉剤の場合は茎と葉元の間に散布し、降雨や散水等で溶解させ、葉鞘内部へ浸透させることで防除効果が高まる。
(4)薬剤防除後は2~3週間程度、日にちを空け再度防除を行うことで防除効果が高まる。
(5)培土時は土壌害虫の防除を兼ねた薬剤(粒剤)を施用する。
(6)被害の多い地域では薬剤による一斉防除を行う。
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