【世界の農業・食料】コメの輸出はインドが世界一に2021年4月23日
農林水産省が毎月発行している「海外食料需給レポート」では世界の食料生産の動向を解説している。3月のレポートではインドが世界一のコメ輸出国になる見通しだと伝えている。
世界のコメの主要輸出国の輸出量の推移
インドは、ここ数年、降雨に恵まれ、コメの生産が5年連続で増産した。
USDA(米国農務省)によると、2020/21年年度は史上最高を更新し、1億2100万tの生産量となる見込みだ。対前年度1.8%増。一方、USDAによると消費量は対前年度比0.5%増の1億600万tの見込み。
インドでは米生産の技術力も向上したといい、潤沢な供給量を背景に輸出価格も主要輸出国でもっとも安く競争力があることから、対前年度比24.1%増の1550万tの輸出量が見込まれ、世界一となる。
世界のコメの動き
インド商工省によると2020年4月から12月の輸出量累計は1160万tで前年同期の640万tと比べて1.8倍となった。輸出量のうち340万tが高級品のバスマティ米で820万tが非バスマティ米。輸出はバスマティ米で1.2倍、非バスマティ米で2.3倍の伸び。非バスマティ米の伸びが大きいのはトウモロコシの価格が世界的に上昇しており、飼料向けコメの輸入需要が増えていることが背景にあるとみられている。
コメの輸出といえばタイが世界一だったが、USDAによると20/21年度は610万tでベトナムに抜かれて3位に転落する見込みだという。タイの米輸出協会によると輸出量の減少はバーツ高による輸出競争力の低下や、コンテナ不足などが要因としている。
タイ米はセネガルなどサブサハラ地域に輸出されていたが、USDAによると、その市場をインドに奪われたことが転落の要因だと指摘している。ただ、「USDA GAIN REPORT」によると、今後、ASF(アフリカ豚熱)の影響からの回復で、トウモロコシより安い砕米の飼料用需要が増加することから、タイ米の輸出は徐々に回復するとみられている。
インドに次いでコメ輸出量2位となるベトナムは640万tの輸出量が見込まれている。対前年比3.7%。輸出先国はフィリピンが4割近くを占め、中国、ガーナの順。中国向けは前年度にくらべ2.4倍と大きく増加した。
世界のコメの生産量は5億400万tの見込み。輸出量は4600万tで生産量の9%に過ぎない。
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