県内初のトマト立枯病を確認 三重県2021年8月5日
三重県病害虫防除所は8月4日、県内で初めてトマト立枯病を確認したことを受け、病害虫発生予察特殊報第1号を発令した。
茎の基部の病徴(写真提供:三重県病害虫防除所)
昨年11月に三重県北勢地域のトマト養液栽培ほ場で、トマトの茎の基部が褐変腐敗する症状がみられた。三重県農業研究所で病徴部から菌を分離し、遺伝子解析したところ、同県では未確認のFusarium solani-melongenae(Haematonectria ipomoeae)が検出され、トマト立枯病と判明した。
この病は平成2年に愛知県で初めて発生が確認されて以降、平成11年に宮崎県、今年3月に広島県で報告されている。
病原菌は糸状菌の一種で、子のう菌類に分類される。この病は茎の基部に褐変やひび割れ症状がみられ、発病部位の内部にも進行する。罹病部表面には、赤い小粒(子のう殻)が多数形成される。これらの病徴は10月頃からみられるが、その後気温の低下に伴い一時的に停滞し、気温が上昇する4月頃に再び進展する。発病株は、樹勢低下や果実肥大が抑制され、発病が進行すると立枯れ症状となる。
〈防除対策〉
○この病に対する登録農薬はないため、耕種的防除で対応する。
○発病株は伝染源となるため、ほ場外に持ち出し適切に処分する。
○栽培終了後は植物残渣などを除去し、施設内の衛生管理に努める。
○土耕栽培では、定植前の太陽熱利用による土壌消毒の時間を十分に確保する。
○養液栽培では、生産資材の交換や消毒を行う。
○施設出入りの際は、靴の履き替えや靴底の消毒などを行い、施設内の衛生管理に努める。
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