指定野菜減少が傾向 収穫量軒並み1~2%減 高齢化や他野菜への転換も 農水省2021年9月15日
令和2年度の指定野菜(秋冬野菜等)の収穫量が軒並み減少傾向にある。特に作付面積の減少は、生産者の高齢化が影響しており、この数年、微減の状態が続いている。8月31日、農水省が公表した。
微減傾向が続く指定野菜(茨城県で)
指定野菜の秋冬野菜の作付面積は8万9500haで、前年産に比べ1700ha(2%)の減少。収穫量は290万2000tで、同1万9000t(1%)減った。生産者の高齢化や指定野菜以外の野菜への転換が影響している。出荷量は237万1000tで前年産並みだった。
品目別では秋植えバレイショ、秋冬サトイモの作付けが、それぞれ前年産を4%下回った。収穫量では秋植えバレイショ、秋冬ネギがともに前年産を7%と、大きく下回った。
主な品目別の詳細は次の通り。
▽秋冬ダイコン=作付面積1万9900haで前年産より600ha(3%)の玄。生産者の高齢化による作付け中止や他の野菜への転換による。収穫量は82万4300tで前年産より1万9200t(2%)減った。
▽冬ニンジン=作付面積7540haで前年産並み。収穫量は23万500tで7500t(3%)増えた。
▽秋植えバレイショ=作付面積2310haで100ha(4%)の減。生産者の高齢化による作付け中止や他の野菜への転換による。収穫量は3万8900tで2900t(7%)と大幅な減少になった。
▽秋冬サトイモ=作付面積1万700haで400ha(4%)の減。生産者の高齢化、他野菜への転換が影響した。ただ10a当たり収量は前年産を3%上回り、収穫量は13万9400tと1%減にとどまった。
▽秋冬ハクサイ=作付面積1万2500haで前年産並み。おおむね天候に恵まれ、10a当たり収量が前年産を(6%)上回ったため、収穫量は6%増の61万2000tとなった。
▽冬キャベツ=作付面積1万5100haで300ha(2%)の減少。収穫量は59万8800tで1万5500t(3%)減った。
▽冬レタス=作付面積7740haで50ha(1%)の減。収穫量18万4600tで、1400t(1%)減った
▽秋冬ねぎ=作付面積1万3800haで300ha(2%)の減少。7月の多雨で、千葉、埼玉県など病害が発生し、10a当たり収量が、前年産を5%下回った。収穫量は27万3000tで、2万900t(7%)と大きく減少した。
▽ホウレンソウ=作付面積1万9600haで300ha(2%)減った。収穫量21万3900tで、3900t(2%)減った。
このほか、指定野菜に準ずる野菜での特徴で、小松菜、ブロッコリー、ニンニク、ショウガなどの作付けが増えている。特にブロッコリーは、北海道で他野菜からのの転換があり、4%、前年産を上回った。
なお、指定野菜とは、全国的に流通し、特に消費量が多く重要な野菜のこと。「指定野菜に準ずる野菜」とは、指定野菜以外の野菜のうち、国民の消費生活上、および地域農業振興上重要な野菜のことをいう。
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