米対策「できるだけ速やかに対応」就任会見で 金子農相2021年10月5日
10月4日に発足した岸田内閣の金子原二郎新農相は5日午前、農林水産省に初登庁し就任記者会見に臨んだ。会見で金子農相は米価の下落に対してできるだけ速やかに対応する考えを示した。
金子農相は基本的な政策について、コロナ禍で外食産業が需要減少で打撃を受けているだけでなく、農業者のなかにも影響を受けているが多いとして「政府と一体となって外食産業を支援するほか、農林漁業者や食品産業の生産の継続や販売促進に向けて対策をしっかりと実施していく」と述べたほか、「農林業業者の所得向上と農山漁村の活性化を実現するための対策を地域に寄り添い現場を重視しながら進めていく。これにより規模の大小や中山間地域といった条件に関わらず農林水産業の潜在力を最大限に引き出して食料安全保障を強化していく考えだ」などと強調した。
岸田総理からは米の値段下がり生産者が厳しい状況におかれているので米対策には「早急に取り組んでもらいたい」と強調されたことを明らかした。
これに対して金子農相は「党の意見や生産者の意見も聞きながらできるだけすみやかに対応策を考えていきたい」と話した。
具体的な対策としては「米穀周年供給事業の支援期間の拡充措置、さらに今年産の作柄をふまえて対応が必要になった場合には、この事業に基づく取組みも含め適切に対応する」と述べるにとどめた。
岸田総理が総裁選で触れた米の市場隔離については「大変微妙な問題があるので、これまでの状況をふまえて考えていくことになるだろう。なかなか価格を操作するのは難しい。市場は自由に取引させることによって生産者も意欲を持っていい米をつくっていこうということになるので市場を管理するのは難しいと思っている」と慎重な姿勢を示した。
また、農協や漁協など協同組合については「生産者の立場に立つと組合がなくては不便なこともあり生産者あっての組合だから、その立場を考えながら組合員を支援していくことについて、私は大変努力をしていると思っている」と述べたほか、農協改革については「十分でないところもあるかもしれないが、いろいろな方の意見を聞きながら、より生産者の立場に立った組合になっていくよう私も努力していきたい」と話した。
(かねこ・げんじろう)昭和19年5月長崎県生まれ慶大文卒。長崎県議会議員、衆議院議員(当選5回)、長崎県知事(3期)、参議院議員。参議院元予算委員長など。
重要な記事
最新の記事
-
准組合員問題にどう向き合うか 11月15日に農協研究会開催 参加者を募集2025年9月16日
-
シンとんぼ(159)-食料・農業・農村基本計画(1)-2025年9月13日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(76)【防除学習帖】第315回2025年9月13日
-
農薬の正しい使い方(49)【今さら聞けない営農情報】第315回2025年9月13日
-
【人事異動】JA全中(10月1日付)2025年9月12日
-
【注意報】野菜類、花き類、豆類にハスモンヨトウ 県内全域で多発のおそれ 兵庫県2025年9月12日
-
【注意報】果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 佐賀県2025年9月12日
-
【石破首相退陣に思う】農政も思い切りやってほしかった 立憲民主党農林漁業再生本部顧問・篠原孝衆議院議員2025年9月12日
-
【石破首相退陣に思う】破られた新しい政治への期待 国民民主党 舟山康江参議院議員2025年9月12日
-
【石破首相退陣に思う】農政でも「らしさ」出しきれず 衆議院農水委員会委員・やはた愛衆議院議員(れいわ新選組)2025年9月12日
-
ドローン映像解析とロボットトラクタで実証実験 労働時間削減と効率化を確認 JA帯広かわにし2025年9月12日
-
スマート農業の実践と課題を共有 音更町で研修会に150名参加2025年9月12日
-
【地域を診る】個性を生かした地域づくり 長野県栄村・高橋彦芳元村長の実践から学ぶ 京都橘大学学長 岡田知弘氏2025年9月12日
-
(452)「決定疲れ」の中での選択【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年9月12日
-
秋の味覚「やまが和栗」出荷開始 JA鹿本2025年9月12日
-
「令和7年台風第15号」農業経営収入保険の支払い期限を延長 NOSAI全国連2025年9月12日
-
成長軌道の豆乳市場「豆乳の日」前に説明会を実施 日本豆乳協会2025年9月12日
-
スマート農園を社会実装「品川ソーシャルイノベーションアクセラレーター」に採択 OYASAI2025年9月12日
-
ご当地チューハイ「寶CRAFT」<大阪泉北レモン>新発売 宝酒造2025年9月12日
-
「卵フェスin池袋2025」食べ放題チケット最終販売開始 日本たまごかけごはん研究所2025年9月12日