水田での園芸作物導入の補助事業 来年度から生産者団体だけで申請可能に2022年2月15日
コロナ禍で加工・業務用野菜などの需要が高まる中、農水省は園芸作物の生産・供給拡大に向けて、水田を活用して新たに園芸作物を導入する産地の支援に力を入れている。2022年度予算案に10億円余りを盛り込み、新たに園芸作物に転換する生産者団体に機械・施設の導入に半額を補助する。これまでは実需者と協議会を作って申請する必要があったが、来年度からは生産者団体だけで申請できるよう要件を緩和する。2030年には、実需者と取引する加工・業務用野菜の出荷量を2017年の約1点5倍になる145万トンにしたいと目標を掲げている。
農水省は、22年度予算案でこの事業を含む野菜支援対策(時代を拓く園芸産地づくり支援等)事業に10億1900万円を計上している。近く都道府県を通して取り組み主体となる生産者団体を公募する。
カット野菜などの加工・業務用野菜は、コロナ禍で需要が高まっているが、農水省園芸作物課によると、約3割は輸入物で占められている。このため主食用米の需給安定に向けて他の作物への転換を図りつつ、加工・業務用野菜の大規模契約栽培に取り組む産地の育成を目指している。
事業では、水田で新たな園芸作物を導入するJAや農業法人などの生産者団体に対し、1地区当たり機械・施設のリース方式による導入などに、5000万円(低コスト対候性ハウスの導入は1億円)を上限に半額を補助する。
食品メーカーや外食産業など実需者と新たに育成する産地規模の30パーセント以上、契約取引を行うことが要件。これまでは生産者団体と実需者で協議会を作って申請することとなっていたが、来年度からはより申請しやすくするため、生産者団体だけで申請することができるように要件を緩和する。また、「園芸作物導入促進事業」として、産地の合意形成や品種の選定などの取り組みについても300万円を補助する事業も進める。
農水省はこの事業を通じて、比較的海外との価格差が少ないうえ需要が見込めるタマネギやブロッコリー、ニンジンなどの出荷増につながることを期待している。
農水省の水田への園芸作物の導入への支援事業は、5年以上前から進められており、群馬県では、JAやコンビニ、カット野菜事業者が連携した取り組みが進められている。園芸作物課は「この制度を使って群馬県の事例のように産地と販売業者が一体となった取り組みが進むことを期待したい」と話している。
重要な記事
最新の記事
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】なぜ多様な農業経営体が大切なのか2024年3月28日
-
全国の総合JA535から507に 4月1日から 全中2024年3月28日
-
消える故郷-終りに、そしてはじめに-【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第284回2024年3月28日
-
岩手銀行、NTT東日本、JDSCが「岩手県の『食とエネルギーの総合産地化』プロジェクト」を共同宣言2024年3月28日
-
「日曹コテツフロアブル」登録変更 日本曹達2024年3月28日
-
適用拡大情報 殺虫剤「プレバソンフロアブル5」 FMC2024年3月28日
-
飼料用米を食料安保の要に 飼料用米振興協会が政策提言2024年3月28日
-
肥料袋の原料の一部をリサイクル樹脂へ置換え 片倉コープアグリ2024年3月28日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付)2024年3月28日
-
純烈が熱唱 新CM「おいしい雪印メグミルク牛乳 ゴクうまボトル」公開2024年3月28日
-
むすびえ「ウェルビーイングアワード 2024」活動・アクション部門グランプリを受賞2024年3月28日
-
「物流の2024年問題」全国の青果センターの中継拠点化で「共同輸配送」促進 ファーマインド2024年3月28日
-
ポストハーベスト事業 米国子会社を譲渡 住友化学2024年3月28日
-
農業の「経営技術」を習得 無料オンライン勉強会を隔月で開催 ココカラ2024年3月28日
-
森林由来クレジット販売プラットフォーム立上げ第一号案件を売買全森連×農林中金2024年3月28日
-
新規需要米に適した水稲新品種「あきいいな」育成 耐病性が優れ安定生産が可能に 農研機構2024年3月28日
-
食品ロス削減に貢献 コープ商品6品を3月から順次拡充 日本生協連2024年3月28日
-
最適な雑草防除をサポート「my防除」一般向け提供開始 バイエルクロップサイエンス2024年3月28日
-
国産和牛が当たる 「春の農協シリーズキャンペーン2024」4月1日から実施2024年3月28日
-
れんこん腐敗病の課題解決へ JA大津松茂と圃場検証を実施 AGRI SMILE2024年3月28日