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ロシアのウクライナ侵攻 穀物生産、食料貿易へ影響懸念2022年2月25日

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ロシアが2月24日にウクライナへ侵攻を開始したことを受けて、米国のシカゴ商品取引所では小麦と大豆、トウモロコシの先物取引価格が急上昇したと報じられている。世界有数の穀倉地帯からの輸出が市場に影響を与え日本にも影響しかねない。農林水産省が毎月発行している「食糧安全保障月報」1月号では農林水産政策研究所の調査による最近のロシア農業動向をまとめている。ウクライナ農業の概要も合わせて基本データを整理してみる。

ロシア 小麦輸出に力

ロシアとウクライナの麦類の生産量は世界有数だ。ロシアは小麦7600万tで世界4位、大麦1900万tで世界2位。ウクライナは小麦2600万tで世界7位、大麦は830万tで世界5位となっている。

トウモロコシはウクライナが3300万tで世界6位、ロシアは1300万tで世界11位となっている。(データは2018/19年度~2020/21年度の3年度平均)。

ロシアはトウモロコシの生産量も増やしているが、栽培適地が限られ、ウクライナのほうが生産量は多い。

ロシアの穀物生産は粗放的で生産量は多いが単収は低い。小麦の単収はロシアは1ha当たり2.92t、一方、ウクライナは同3.95tだ。トウモロコシもロシアが同5.20tに対してウクライナは6.82tと多い。

世界の穀物貿易でロシアは小麦と大麦の主要輸出国になっている。

小麦は3600万t(2018~21年度平均)で世界第1位となっている。生産量の4割以上を輸出へ振り向けている。大麦も512万tで世界2位となっている。

最大の輸出先は中東・北アフリカ。2020/21年度の小麦の総輸出量は3800万tとロシア史上2位でそのうち中東・北アフリカ向けが1900万tと52%を占める。サブサハラ・アフリカへの輸出は600万tで、バングラデシュ、インドネシア、ベトナムなどアジアにも500万t輸出されている。

2010年にロシアは大干ばつで小麦をはじめ穀物は凶作となった。世界全体では米国産、豪州産など安定生産で在庫量は安全水準だったが、ロシア産小麦の不足で中東や北アフリカで食料不足が起きた。2010年から11年初頭にかけてのチュニジアから始まった市民の抗議活動からアラブの春に至った要因の一つとなった。

地理的に近いトルコやエジプトではロシア産小麦のシェアは拡大し、ベトナムなど東南アジアでも拡大傾向にあり、それにともなって豪州産が減少傾向にある。

ウクライナに比べれば単収は低いものの、2000年以降、冬小麦は春小麦の2倍以上の単収となっている。粗放的との指摘もあるが、穀物生産が急増し生産量の6割を占める南連邦や中央連邦管区で肥料の使用量は伸び、2001年から2013年までロシア全体で1.6倍ほどになっている。

日本にとって貿易相手国としてロシアは輸出入額それぞれ1%前後で順位は低い。輸出は自動車、輸入は化石燃料が中心。農林水産物では水産物、製材などが輸入されている。

ロシアの貿易収支全体は石油と天然ガスの輸出を中心に大幅な黒字だ。そのなかで農林水産物の貿易収支は赤字。穀物など低単価の農産物を輸出し、食肉や酪農品、酒類など高単価の品目を多く輸入する貿易構造だからだ。

ただ、2014年のクリミア併合にともなう欧米の対ロシア経済制裁に対抗して、逆制裁措置として欧米からの食肉や乳製品、果実など食品の輸入禁止措置を発動し、この措置を延長してきたことや、大幅なルーブル安によって農水産物の貿易赤字は大幅に縮小し、プーチン大統領は2018年の大統領令で2024年までに農産物や食品の輸出額年間450億円の達成を目標に掲げた。2017年には216億ドルだったが、2020年には300億ドル近くに増えている。

数字ではこうした状況にあるが、新型コロナの感染拡大で経済が後退し国民の所得水準は低下、一方で小麦価格などが上昇したため、国民の不安を抑えるためプーチン大統領は穀物の輸出制限をした。

新型コロナ感染症の感染者数は米国、インド、ブラジル、フランス、英国に次ぐ1556万人で第6位。死者数は米国、ブラジルに次ぐ3位で34万人以上となっている。

所得水準は2020年第2四半期は対前年92.9%とマイナス。国民生活は悪化している。

ウクライナ トウモロコシ輸出

一方、ウクライナはヨーロッパの穀倉と言われ、国土の7割を農地が占める。農用地は4131万haで日本の12倍だ。肥沃な黒土が広がり気候は温暖。

すでに触れたようにトウモロコシの3300万tで世界6位。輸出量は2700万tで世界4位とトウモロコシ輸出を重点にしている。

日本からウクライナへのおもな輸出品は自動車、ゴムタイヤ、チューブ、二輪自動車など。輸入品はタバコ、鉄鉱石、アルミニウムなどだ。

ジェトロのワルシャワ事務所がまとめた新型コロナウイルスの感染状況は1月25日発表では1日当たり2万4000人程度。新型コロナ拡大にともなう政府の検疫措置に反対する抗議集会なども行われていたという。

EU委員会は1月24日にウクライナへの緊急財政支援を提案した、総額12億ユーロの融資や、補助金も検討されている。

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