斑点米 イネとカメムシの成長タイミングに関連 都立大・中央大・農研機構など解明2022年7月8日
東京都立大と中央大、農研機構、国立環境研の研究チームは、斑点米はイネとカメムシの成長タイミングが一致したときに発生する可能性が高いことを明らかにした。この成果は斑点米被害の発生予測や、作付け時期や防除時期をコントールするなど対策につながることが期待される。
現在の稲作では、カメムシ類の吸汁によって米が変色し、価格が下落する「斑点米」の発生をいかに抑えるかが重要な課題のひとつとなっている。
東北ではその発生面積が増加傾向にあり、その主要因はアカスジカスミカメ(以下、アカスジ)とアカヒゲホソミドリカスミカメ(以下、アカヒゲ)によるものと考えられている。
これらのカメムシは体長4~5ミリ程度で発生数が年や地域で大きくばらついていることが知られている。さらに斑点米はどういう条件下で発生するのか不明だった。
研究チームは2003年から2013年までの11年分の長期的なイネの観測データと斑点米被害データを一元化して分析した結果、アカスジ、アカヒゲとも積極的にイネに攻撃を仕掛ける出穂期は、11年間で基本的に変わっていなかった。
また、アカスジは第2世代の成虫期、アカヒゲは第3世代の幼虫期にイネを積極的に攻撃することが分かった。
出穂期のイネ
それらをもとに秋田県で調査したところ、イネの出穂期とアカスジ成虫期間が重複している地域で斑点米の発生が強い傾向であり、アカヒゲでは幼虫期間と出穂期が重複していた地域で斑点米の発生が強い傾向があることが示された。
これらの結果、地域の気象条件に反応して決まるイネの脆弱期間とカメムシの攻撃期間が一致した場合に斑点米の被害が発生している可能性が示唆された。
研究チームは、気象条件はコントロールできないものの、イネの成長は栽培スケジュールを工夫することである程度コントールすることも可能のため、将来的にはイネの脆弱期間とカメムシの攻撃期間をずらし、斑点米の発生を防ぐ農法を確立することが可能になるかもしれないという。また、将来気候の予測研究からカメムシの発生を予測することも可能になるかもしれないとしている。
重要な記事
最新の記事
-
【人事異動】JA全農(10月1日付)2025年9月19日
-
【注意報】ダイズ、野菜類、花き類にハスモンヨトウ 県内全域で多発のおそれ 滋賀県2025年9月19日
-
【浜矩子が斬る! 日本経済】トランプ流企業統治改変の怪しさと日本への影響2025年9月19日
-
【サステナ防除のすすめ2025】秋まき小麦防除のポイント 除草とカビ対策を2025年9月19日
-
農業土木・鳥獣対策でプロフェッショナル型キャリア採用 課長級の即戦力を募集 神戸市2025年9月19日
-
「ヒノヒカリ」2万9340円 JAおおいたが概算金 営農支援が骨子2025年9月19日
-
米価下落に不安の声 生産委員 食糧部会2025年9月19日
-
【石破首相退陣に思う】地方創生、もっと議論したかった 日本共産党 田村貴昭衆議院議員2025年9月19日
-
配合飼料供給価格 トン当たり約550円値下げ 2025年10~12月期 JA全農2025年9月19日
-
(453)「闇」の復権【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年9月19日
-
「1粒1粒 愛をコメて」来年産に向けた取り組み 令和7年度 水稲高温対策検討会を開催 JA全農ひろしま2025年9月19日
-
9月21日に第6回「ひろしまの旬を楽しむ野菜市」 「3-R」循環野菜や広島県産野菜を販売 JA全農ひろしま2025年9月19日
-
JA全農主催「WCBF少年野球教室」熊本市で27日に開催2025年9月19日
-
「長崎県産和牛フェア」東京・大阪の直営飲食店舗で開催 JA全農2025年9月19日
-
大阪・関西万博で「2027年国際園芸博覧会展 未来につなぐ花き文化展示」開催 国際園芸博覧会協会2025年9月19日
-
東京科学大学と包括連携協定を締結 農研機構2025年9月19日
-
日本の稲作を支えるデジタル技術を大阪・関西万博で紹介 BASFジャパン2025年9月19日
-
素材のおいしさ大切に 農協シリーズ「信州あづみ野のむヨーグルト」など新発売 協同乳業2025年9月19日
-
オートノマス水素燃料電池トラクタを万博で初披露 クボタ2025年9月19日
-
農業の未来を包装資材で応援「第15回 農業WEEK」出展 エフピコチューパ2025年9月19日