栽培暦見直し チェックポイントを作成 農水省2022年8月10日
農林水産省は、みどりの食料システム戦略の実現に向け栽培暦の見直しのためのチェックポイントを解説した冊子を作成している。
「より持続性の高い農法への転換に向けて」と題した冊子で地方公共団体、生産者団体向けに作成した。
現行農法や栽培暦について1stステップ、2ndステップで点検し、3rdステップでは農水省が作成した「みどりの食料システム戦略」技術カタログに掲載されている技術のうち導入可能なものがないかを確認するという構成になっている。
1stステップは肥料や農薬の過剰な使用の改善につながる技術を中心にまとめている。
生産は場の土壌分析を行っているか、病害虫や雑草が発生しにくい生産環境を整えているかどうか、土壌診断に基づいた適正施肥を行っているかどうかなどをチェックする。
化学農薬の使用については、散布タイミングや防除の可否について、発生予察情報や、ほ場観察など、十分な情報に基づいて実施しているかどうかをチェックする。
こうしたポイントの実践により、環境負荷低減だけではなく、コスト低減にもつながるとしてチェック項目にしたがって改善策を検討するよう呼びかけている。
2ndステップは、環境負荷の低減に有用な技術としてすでに各地で導入されている技術をまとめ自分たちの地域での取り組み状況や、導入の可否の検討を促している。
たとえば、化学農薬以外の土壌消毒として、土壌還元消毒、太陽熱土壌消毒、対抗植物の利用などを挙げている。
土づくりでは緑肥の活用や、堆肥など地域資源を活用した土づくりなどに取り組んでいるかどうか。
施肥では側条施肥など局所施肥や、可変施肥を実施しているかどうか。可変施肥の方法として専用機械の利用のほか、収量コンバインによる収量データの活用、リモートセンシング等で生育状況を測定し実施などの技術を挙げている。
防除では「多様な防除資材を積極的に活用しているか」と問い、防虫ネット等の被覆資材の活用、生物農薬・土着天敵の活用、フェロモン剤の活用、リスクの高い農薬からリスクのより低い農薬への転換を挙げている。
そのほか温室効果ガスの削減のため、秋の稲わらのすき込みや中干しの延長などの実践もチェック項目としている。
3rdステップでは、みどり戦略の技術カタログに掲載されている先端技術(167件)の活用を促している。
冊子は、化学農薬や化学肥料の低減や温室効果ガス排出削減に向けて効果のある取り組みを項目化したもの。農林水産省は「より持続性の高い農法に向けた足掛かりとして、農協の生産部会などで活用してほしい」と呼びかけている。
重要な記事
最新の記事
-
【特殊報】ブロッコリーの黒すす症状 県内で初めて確認 愛知県2025年7月3日
-
【注意報】斑点米カメムシ類 県下全域で多発のおそれ 富山県2025年7月3日
-
【注意報】花き類、野菜類、ダイズにオオタバコガ 県内全域で多発のおそれ 愛知県2025年7月3日
-
【注意報】ネギ、その他野菜・花き類にシロイチモジヨトウ 県下全域で多発のおそれ 富山県2025年7月3日
-
【注意報】りんご、なしに果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 宮城県2025年7月3日
-
【注意報】ねぎにシロイチモジヨトウ 県内全域で多発のおそれ 宮城県2025年7月3日
-
【注意報】セイヨウナシ褐色斑点病 県内全域で多発のおそれ 新潟県2025年7月3日
-
【注意報】いね 斑点米カメムシ類 県下全域で多発のおそれ 山形県2025年7月3日
-
米生産に危機感 高温耐性品種など急務 日本作物学会が緊急声2025年7月3日
-
【人事異動】農水省(7月4日付)2025年7月3日
-
花産業の苦境の一因は生け花人口の減少【花づくりの現場から 宇田明】第63回2025年7月3日
-
飼料用米 多収日本一コンテストの募集開始2025年7月3日
-
米の民間在庫量 148万t 備蓄米放出で前年比プラスに 農水省2025年7月3日
-
【スマート農業の風】(16)温暖化対応判断の一助にも2025年7月3日
-
令和7年度「家畜衛生ポスターデザインコンテスト」募集開始 農水省2025年7月3日
-
農業遺産の魅力発信「高校生とつながる!つなげる!ジーニアス農業遺産ふーどコンテスト」開催 農水省2025年7月3日
-
トロロイモ、ヤマノイモ・ナガイモ【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第347回2025年7月3日
-
【JA人事】JA町田市(東京都)吉川英明組合長を再任(6月26日)2025年7月3日
-
【JA人事】JAふくおか嘉穂(福岡県)笹尾宏俊組合長を再任(6月26日)2025年7月3日
-
国産農畜産物で料理作り「全農親子料理教室」横浜で開催 JA全農2025年7月3日