ミニマム・アクセス米の落札価格 国産米の1.5倍 輸入中止を 農民連が指摘2022年11月18日
農民連・農民連ふるさとネットワークはは国産米を大幅に上回る価格でミニマム・アクセス(МA)米が落札されており、「一体、どこの国の政府なのか」と批判し、МA米輸入を中止すべきだと強調している。
農民連によると、9月16日のМA一般米入札のアメリカ産うるち精米中粒種の契約価格は1t当たり25万4000円と公表された。60kgでは1万3716円で国産米の価格水準を大幅に上回った。
21年産の全銘柄平均価格は1万1884円(税抜き)でアメリカ産は国産米の1.15倍になる。さらに暴落した千葉「ふさこがね」は9445円、青森「まっしぐら」は9969円でアメリカ産は約1.5倍となっている。
9月30日には2022年度第1回のSBS(売買同時入札)方式の入札が行われたが、アメリカ産中粒種の落札はゼロだった。SBS入札は主食用として外食産業などに利用されることが多いとされているが、国産米が安いため輸入米の需要が落ちていることが落札結果でも示された。
しかし、一般米輸入では高値で輸入された。農民連は「アメリカ中粒種を何がなんでも輸入するために異常な予定価格を設定して商社に調達させたものと思わざるを得ない」と指摘する。
МA一般米はもちろん主食用に売ることはできないため、販売されるときは飼料用がほとんどで77万tのうち8割以上が1t2万円で販売されている。農水省も1トン8万円の輸入米を50万t飼料用として販売すれば300億円の差損が出ることを資料で説明している。
農民連が明らかにした今回の落札価格1トン25万円のアメリカ産米を、かりに30万t飼料用に売ると700億円の赤字になる。
2021年度のМA一般米の買い入れ額は総額で800億円と過去最高で「漫然と輸入し続ければさらに赤字が膨らむ」と農民連は批判。
そのうえで国内の米生産者には、過剰は自己責任だと低米価と生産調整を押しつける一方、新潟コシヒカリよりもアメリカ米を買い支えて、販売したときの差額は国民の税金でまかなうという構図だと指摘、「一体、どこの国の政府なのか、どこまで農家と国民を馬鹿にするのか」とМA米輸入中止を求めている。
基本法の見直しにあたっても国内農業を弱体化につながるような輸入制度の見直しも論点となる。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(146)-改正食料・農業・農村基本法(32)-2025年6月14日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(63)【防除学習帖】第302回2025年6月14日
-
農薬の正しい使い方(36)【今さら聞けない営農情報】第302回2025年6月14日
-
群馬県の嬬恋村との国際交流(姉妹)都市ポンペイ市【イタリア通信】2025年6月14日
-
【特殊報】水稲に特定外来生物のナガエツルノゲイトウ 尾張地域のほ場で確認 愛知県2025年6月13日
-
【注意報】りんごに果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 岩手県2025年6月13日
-
SBS輸入 3万t 6月27日に前倒し入札2025年6月13日
-
米の転売 備蓄米以外もすべて規制 小泉農相 23日から2025年6月13日
-
46都道府県で販売 随意契約の備蓄米2025年6月13日
-
価格釣り上げや売り惜しみ、一切ない 木徳神糧が声明 小泉農相「利益500%」発言や米流通めぐる議論受け2025年6月13日
-
担い手への農地集積 61.5% 1.1ポイント増2025年6月13日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】生産者米価2万円との差額補填制度を急ぐべき2025年6月13日
-
井関農機 国内草刈り機市場を本格拡大、電動化も推進 農機は「密播」仕様追加の乗用田植え機「RPQ5」投入2025年6月13日
-
【JA人事】JA高岡(富山県)松田博成組合長を新任(5月24日)2025年6月13日
-
【JA人事】JAけねべつ(北海道)北村篤組合長を再任(6月1日)2025年6月13日
-
(439)国家と個人の『食』の決定権【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年6月13日
-
「麦とろの日」でプレゼント 東京のららぽーと豊洲でイベントも実施 JA全農あおもり2025年6月13日
-
大学でサツイマイモ 創生大学と畑プロジェクト始動 JA全農福島2025年6月13日
-
JA農機の成約でプレゼントキャペーン JA全農長野2025年6月13日
-
第1回JA生活指導員研修会を開催 JA熊本中央会2025年6月13日