農業総産出額 8兆8384億円で986億円減 畜産は過去最高 2021年2022年12月29日
農林水産省は12月27日、2021(令和3)年の農業総産出額と生産農業所得を公表した。
2021年の農業総産出額は畜産の産出額が3.4兆円を超えて過去最高となったが、主食用米や野菜などの価格が低下したことから、8兆8384億円で前年にくらべて986億円減少(▲1.1%)した。
品目別にみると、米は毎年10万t程度需要が減少するなか、作付けを削減しているが、民間在庫量が200万tを超えて取引価格が低下したことから、前年に比べて2732億円減少し1兆3699億円となった。2年連続の減で対前年比▲16.6%となった。
いも類のうち、ばれいしょポテトチップスやサラダ用などで国産品を求める実需者ニーズが高まってきたことや、かんしょでは焼き芋需要が堅調で2018年から産出額は増加傾向で推移してきた。
2021年はかんしょは堅調な消費を背景に高価格水準で推移したが、ばれいしょは関東地方を中心に価格が低下したため、産出額は前年に比べ12億円減少し、2358億円(対前年比▲0.5%)となった。
野菜は北海道で夏季の干ばつの影響でたまねぎの出荷量が減少して価格が上昇した一方、秋季から冬季にかけて高温のより多くの品目の出荷量が増えて前年より安値になったことから、1053億円減少し2兆1467億円(同▲4.7%)となった。
果実は前年に比べ418億円増加し、9159億円(同+4.8%)となった。りんごやみかんで生産量が減少し価格が上昇したことや、ぶどうで比較的高値で取引される優良品種への転換が進んだことが寄与した。
花きは226億円増加し3306億円(同+7.3%)となった。出荷量はコロナ感染の影響を受けた前年並みとなったが、イベント需要の減少で価格が低下していた3月から6月の需要が回復し、価格が上昇したことなどが寄与した。
肉用牛は847億円増加し8232億円(同+11.5%)となった。生産基盤の強化にともない和牛の生産頭数が増加したことや、コロナ禍の影響を受けた前年から需要が回復し価格が上昇したことが寄与した。
生乳は64億円増加し7861億円(同+0.8%)となった。生産基盤強化対策の進展で生乳生産量が増加したことが寄与した。
豚は259億円減少し6360億円(同▲3.9%)となった。大規模化の進展で生産頭数は増加したものの、コロナ禍での巣ごもり需要で価格高く推移した前年を下回ったことが影響した。
鶏卵は924億円増加し、5470億円(同+20.3%)となった。2020年11月から2021年3月にかけて鳥インフルエンザが発生し生産量が減少して価格が上昇したことが寄与した。
ブロイラーは国内生産量が過去最高を更新、堅調な鶏肉需要を背景に価格も上昇し、119億円増の3740億円(同+3.3%)となった。消費者の低価格志向と国産志向で鶏肉の家計消費量が年々増加するとともに、健康志向と簡便性を求めるむね肉の加工品(サラダチキン)の需要が堅調で2013年以降、産出額は3000億円を超えて推移してきた。
農業生産所得は、農業総産出額の動向を受けて3兆円を超えて推移してきた。2021年は前年より45億円増加して3兆3479億円となった。0.1%増加した。主食用米の価格が低下した一方、畜産や果実の生産額が増加したことが寄与した。
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