東大・鈴木宣弘教授が自民党議連で講演 「放置すれば農業が崩壊の危機に 政治が動くこと必要」2023年4月28日
ウクライナ危機などによる資材高騰などで農家が厳しい経営に直面する中、自民党の有志議員でつくる「責任ある積極財政を推進する議員連盟」の勉強会が4月27日、衆議院第一議員会館で開かれ、「食料安全保障推進財団」理事長で東京大学大学院の鈴木宣弘教授が講演した。鈴木教授は「農家のコストが2倍に増えても価格転嫁ができず、これを放置すれば農業が崩壊の危機になりかねない。政治に動いてもらうことが必要だ」と訴えた。
東大・鈴木教授が講演した「責任ある積極財政を推進する議員連盟」勉強会
同議連は昨年2月に設立され、若手議員を中心に101人で構成されている。講師として招かれた鈴木教授は「食料生産振興にこそ積極的な財政支援を」と題して、約1時間にわたって講演した。
この中で鈴木教授は、はじめに日本の農業が脆弱になった背景として、米国の思惑を受けて製造業で利益を得て食料を買うという経済政策が中心となり、1970年代は防衛予算より多かった農水予算がどんどん縮小されてきた経緯を説明した。
そうした流れの中でコロナ禍やウクライナ危機で食料争奪戦が激化し、食料や生産資材の調達への不安が深刻化しているにもかかわらず、日本はほかの国のような前向きな財政出動をしていないと指摘。「農家のコストが2倍になっても農産物への価格転嫁ができておらず、深刻だ。放置すればたくさんの農家が廃業し、農業が崩壊の危機になりかねない事態だ」として、「国民1人1人が命に関わることだと受け止め、政治に動いてもらうことが必要だ」と強調した。
さらに安全保障のうち軍事面で大幅な財政支出が見込まれていることについて、「いくら武器を買っても今の食料自給率でシーレーンを止められたら戦う前に飢え死にしてしまう。まず食料・農業を守ることこそが安全保障だ。ぜひ皆さまが中心となって日本の農林水産業、食料と国民の命を守るために今こそ動いていただきたい」と呼びかけた。
講演のあと同議連の顧問を務める城内実衆議院議員は「農業分野でも積極財政という観点が大事であり、予算が諸外国に比べて少なすぎるという、こうした問題への認識を高めることができてよかった。防衛予算だけでなく農業予算など重要な政策にしっかり予算がつくよう議連として取り組んでいきたい」と話した。
最新の記事
-
カーリング日本代表 山口剛史選手と藤澤五月選手がJA全農を訪問2023年6月7日
-
「卵メニュー休止」から天津飯など再開の動きも 鶏卵供給力徐々に回復か 帝国データバンク2023年6月7日
-
飼料価格高騰で融資増 純損失は1188億円減 日本公庫2023年6月7日
-
雪平莉左の「ゆるふわたいむ」石川県のロケ企画第二弾「田植え」に挑戦 JAタウン2023年6月7日
-
「鳥取県産すいかフェア」京都・広島の直営飲食店舗で開催 JA全農2023年6月7日
-
小学生対象にお弁当レシピ募集「お気に入りのご当地を紹介!」JA全農2023年6月7日
-
そうぞくドットコムのAGE technologies「JAアクセラレーター第5期」に採択2023年6月7日
-
生産者を応援 全農グループ販売7社がTwitter「国産たくさん」開設2023年6月7日
-
「JAアクセラレーター第5期」に採択 農作物のアップサイクルに挑戦 ASTRA FOOD PLAN2023年6月7日
-
JAみなみ信州のLA出演 新CM「人生に寄り添う仕事」篇放映 JA共済連2023年6月7日
-
生産者支援を実現するデータ駆動型「遠隔営農支援プロジェクト」開始 農研機構2023年6月7日
-
YouTubeチャンネル「シェア畑 農園らいふ」登録者数20万人突破記念キャンペーン実施2023年6月7日
-
『葬儀会社が農業を始めたら、サステナブルな新しいビジネスモデルができた』発売 幻冬舎2023年6月7日
-
神奈川限定「丹沢大山茶」使用「ミルクハーバー」新発売 無印良品2023年6月7日
-
関東エリア初 冷凍ビーフン自動販売機が東京支店前に登場 ケンミン2023年6月7日
-
営農型太陽光発電による会員制ブルーベリー体験農園「さがみこベリーガーデン」オープン2023年6月7日
-
農業と発電の両立を!東京農工大と営農型太陽光発電に関わる共同研究を開始 クボタ2023年6月7日
-
幌延工場製造 海外向け業務用脱脂粉乳、バターでハラール認証取得 雪印メグミルク2023年6月7日
-
台風発生数は29個前後の予想 強い台風の接近・上陸に警戒 ウェザーニューズ2023年6月7日
-
旬の「メロンフェア」期間限定マスクメロンのケーキ2種販売 カフェコムサ2023年6月7日