想いをつなげて90年 持続可能な社会を目指して 「希望は農協運動にある」
Z-GIS左PC
左カラム:全中動静160_86
どう思う!菅政権
薄井寛・20大統領選と米国農業
緊急企画:JA対話運動~コロナ禍での協同~
左カラム_シリーズ_防除学習帖
左カラム_コロナJA緊急アンケート
左カラム_JAへエール
左カラム_緊急特集どうなる日本の食
左カラム_病害虫情報2020
左カラム_持続化給付金まとめ
左カラム_コラム_正義派の農政論_pc
左カラム_コラム_米マーケット情報_pc
左カラム_コラム_地方の眼力_pc
左カラム_コラム_食料・農業問題 本質と裏側
左カラム_コラム_昔の農村・今の世の中_pc
左カラム_コラム_グローバルとローカル_pc
左カラム_コラム_TPPから見える風景_pc
左カラム_コラム_ムラの角から_pc
左カラム:JCA160_86
株式会社カクイチヘッドSP
JA全中中央①PC
JA全中中央SP

農政:薄井寛・20大統領選と米国農業

気候変動・税制改革・農村活性化策が主な対立軸 両候補の農業政策の違い(2)【薄井寛・20大統領選と米国農業】第12回2020年10月13日

一覧へ

エッセイスト 薄井 寛

共和党のペンス副大統領候補(61歳)とのテレビ討論会(10月7日)で気候変動の問題が議題にのぼると、民主党のハリス同候補(55歳)は、「バイデンが大統領に当選すれば、(トランプが離脱した)パリ協定へ戻る」と断言。さらにハリスは、本年9月の洪水で作物が全滅したアイオワ州の農家を見舞ったバイデン大統領候補の行動を紹介し、コロナ禍のなか「トランプやや優勢」から「接戦州」へ転じた中西部最大の農業州アイオワの農家へ秋波を送った。

トランプ氏・バイデン氏提唱された「実質排出ゼロ農業の実現」

農業団体の公開質問に対するトランプ・バイデン両大統領候補の回答からも(本連載11回参照)、バイデン・ハリス陣営が自らの気候変動対策を農家へアピールし、トランプ岩盤支持層を切り崩そうとしているのは明らかだ。
この回答のなかでバイデンが強く訴えたのは農業にとっても脅威となってきた気候変動との闘いであり、その闘いを農家の新たな所得源と農村部での雇用創出へつなげていくとの主張であった。

具体策の中心は、「世界最初の温室効果ガス実質排出ゼロ農業の実現」だ。このために、不耕起栽培などによる環境保全型農業を対象にした所得支持政策を導入。また、土壌の中に多くの二酸化炭素を貯留させる精密農法(カーボン・ファーミング)を普及するため、同農法によって実現した農家の温室効果ガスの「排出抑制量」を(排出枠を超える)企業等に購入させる「カーボン・ファーミング市場」を開設して、農家に新たな収入機会を保証するという構想も明らかにした。

さらにバイデンは、家畜糞尿などを活用したバイオ燃料開発への投資増によって農家の所得向上と農村雇用の増加を促進していくと強調した。

これに対しトランプ候補は、「アメリカの農家は世界で最も持続可能な農業を営んでいる」との認識を示したうえで、「バイデンが当選すれば環境保護活動家が政権を支配して農家へ最悪の影響を与える」と警告。
さらに、2018年農業法に基づく任意の農地保全対策や、(トランプ政権は農薬等の水質汚染規制を緩和したが、その)水資源法によって天然資源の保全を推進していくと訴えた。

他方、2023年改訂の次期農業法についてトランプは、「(民主党提起の環境保全のための)新たな規制や気候変動対策を新農業法に盛り込んではならない」と主張。作物保険制度の強化や自主的な農地保全計画、技術革新への投資増に加え、外国の不公正な貿易慣行やコロナ禍、自然災害の被災農家に対する救済金の支払い保証を強調した。大規模農家有利の補助金バラマキ継続を明言したのだ。

これに対しバイデンは、トランプの米中貿易戦争の失敗を非難した上で、「アメリカの農家のために機能する貿易政策」の必要性を指摘するとともに、新規参入農家に対する融資額を10万ドルに倍増するなど、中小の家族経営農家(表参照)の育成重視を強調した。

「"バイデン政権"は固定資産税を劇的に上げる」

「所得税と相続税を軽減した税制改革が農家に与えた利益こそ、一期目に達成した最大の成果だ」と、トランプ大統領は実績を誇示。「バイデンが当選すれば、就任第1日目から税金を引き上げる。固定資産税も劇的に上げる」と述べ、課税強化が農家の経営と機械投資等へ深刻な打撃を与えると警告した。

これに対しバイデン候補はこう主張した。「議会と協力して公正かつ永続的な税制度を確立し、グローバル企業による生産の海外移転や租税回避策を阻止しなければならない。法人税率は(現行21%から)28%へ引き上げる。現政権が大企業に免除した1.3兆ドルの税金を取り戻し、農産物の輸出や生産性向上に寄与する地方の関連産業に対する投資などに活用していく」。

一方、地方経済と農村医療の問題についてトランプは、1800万人の地方住民に高速ネットワークへのアクセスを可能にした実績を自賛。これによって農村と都市とのネット通信格差を解消し、教育改善や遠隔地医療の普及、農業の技術革新などを大規模に推進することができたと主張した。また、農村部におけるメンタルヘルスの医療機関に対する財政支援を強化し、オピオイド(医療用麻薬の鎮痛剤)の乱用による死亡者が農村部で増えている社会問題に対しても解決に向けた努力を主導してきたと強調した。

これに対しバイデンの回答は、トランプの回答(A4半ページ分)の7倍もの分量に及ぶほど具体策を詳細に提示した。なかでも、高速インターネットの普及に対する200億ドルの新規投資や、経営難で閉鎖が続く農村総合病院を維持・発展させるための「農村病院救援法」による財政支援、農村保健センター等の医療施設改善と人的態勢の充実、オピオイド対策の強化を訴えた。

さらにバイデンは、水道・電力供給施設の近代化、農産物の輸送と輸出に不可欠なミシシッピ川などのロック・アンド・ダム(閘門とダムの水運施設)の改修など、農村インフラ整備の投資促進を強調。2016年選挙でトランプが農村部の有権者へ訴えた手法を今度はバイデンが使って、地方選挙区へくい込もうとしているのだ。

(表) 米国における農業経営体の著しい二極化の実態

シリーズ:薄井寛・20大統領選と米国農業

トランプ氏・バイデン氏

最新の記事

ケツト科学研究所:SP

DiSC:SP

負けるな! コロナ禍 今始まる! 持続可能な社会をめざして

新世紀JA研究会 課題別セミナー:SP

注目のテーマ

注目のテーマ

Z-GIS:SP

ウィズコロナ 命と暮らしと地域を守る農業新時代への挑戦

JA共済連:SP

注目のタグ

JAバンク:SP

コロナ対策に学ぶ

JA人づくり研究会:SP

本田防除

新世紀JA研究会:SP
topへ戻る