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農政:薄井寛・20大統領選と米国農業

次期政権へ吹き始めた農業界からの『追い風』【薄井寛・20大統領選と米国農業】第15回2020年11月25日

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来年1月20日就任のバイデン次期大統領はトランプ岩盤支持派の執拗な攻撃を受け、極めて困難な政権運営を余儀なくされるとの見方が強まる。だが、その岩盤支持層の一角を担ってきた農業界から次期政権へ二つの“追い風”が吹き始めた。

(表) 米国の農産物輸出総額と中国への同輸出額の推移(2012-2021年度)

(表) 米国の農産物輸出総額と中国への同輸出額の推移(2012-2021年度)(クリックで拡大)

第一の追い風は中国のアフリカ豚熱収束から

11月10日、農務省の「世界農産物需給予測」が農業界へ朗報をもたらした。その中身は二つある。国内の作柄悪化と輸出回復で大豆の2021年度期末在庫が前年度比で64%も激減するというのが一つ目。二つ目はその輸出回復が中国の輸入急増によるというものだ。

11月23日の「米国農業貿易観測」も輸出の全般的な回復を予測。21年度の農産物輸出額が1520億ドル(15兆円弱、前年度比11.8%増)と、14年度(1523億ドル)以来の高水準だ(表参照)。特に、大豆やトウモロコシなど米国産農産物の中国への輸出額が20年度の185億ドルから270億ドルへ大幅に増える。

この要因について専門家は、「1月に締結した米中貿易交渉の第一段階合意を達成するため」ではなく、「米国から大量に買わざるをえない状況が中国側に生じたからだ」と指摘する。

その状況とは、2018年夏から19年末に中国を襲ったアフリカ豚熱の鎮静化を受け、同国政府が豚肉供給を回復させるために大規模な増頭対策に乗り出し、大量の飼料穀物の確保が緊急課題になってきたということだ(農務省推計では2018~20年に中国での肉豚飼養が約7億頭から5億頭へ、豚肉供給は5400万トンから3600万トンへ激減)。

一方、国際市場も米国有利へ転じた。対中最大の大豆輸出国ブラジルでは干ばつと国内需要増で21年度は輸出減、アルゼンチンのトウモロコシも天候不順等で減る。ロシアやウクライナなどの「黒海沿岸農業国」でも、油糧種子市場で大豆と競合するヒマワリ種子や、小麦の輸出が干ばつ等で大幅減の予測へ転じた(飼料用の低品質小麦はトウモロコシと競合)。

このため、大豆価格は一時のブッシェル当たり8ドル台から4年ぶりに12ドル近くへ高騰。トウモロコシや小麦も来年に向けて更なる値上がりが見込まれ、80年代農業危機の再来かとまで危惧された米国農家の経営悪化も急回復する可能性が出てきた。それは、農家にとって巨額のトランプ補助金に依存してきた経営体質からの脱却であり、バイデン陣営にとっては農村部における2022年中間選挙情勢が好転する可能性が生じる。

注目される「二酸化炭素銀行」の早期立ち上げ

――バイデン農政の目玉に農業団体が参画のメッセージ

二つ目の"追い風"は本年2月に組織された「食料農業気候同盟(FACA)」からだ。保守系農業団体を含むFACAが11月17日、バイデン農政の目玉と注目される「脱炭素農業」の普及計画へ条件付きながらも積極的に参画する方針を明確に示したのだ。FACAには注目点が二つある。

一つは組織の特異性。大規模農家中心のファーム・ビューロー(共和党系)と家族経営農家の全米農民連盟(民主党系)の二大農業団体に、全米農協協議会や環境保護基金、全米森林所有者連盟、食品産業協会、および全米州農務省協会などの農協・環境・森林・業界・州政府が加わった8団体のFACAは、歴史的に見ても特異な大連合体だ(一部のメディアは「有り得ない連合体」と報じる)。

二つ目はその提言だ。40項目以上のFACA提言には、不耕起栽培や被覆植物の植え付け等によって農業からの温暖化ガスを土中に貯留する脱炭素農業の実践農家に報奨金を支給する「二酸化炭素銀行」を、農務省外郭団体の商品金融公社(CCC)の資金投入で開設することや(連載12回参照)、脱炭素技術を実践する穀物農家や畜産農家、森林所有者等に対する広範な税額控除、トウモロコシ由来のエタノールを含む再生可能燃料の生産振興、農地保全計画の拡大、食品廃棄物の削減など、農政の大転換を求める提言が数多く含まれる。

この背景に何があるのか。山火事が繰り返され、ハリケーンなどによる農業被害が続くなか、気候変動に対する農家の不安が広まったという事情はあるだろう。だが、それだけではない。農業側には主として二つの思惑がある。

一つは、全米排出ガスの10%を占めると言われる農業に対して次期政権が様々な気候変動対策を実行する前に、民主党系の環境団体と連携して積極的な参加姿勢と提言を打ち出し、有利な交渉の地歩を確保したいとの思惑だ。

二つ目は、トランプ補助金の消滅後の対策として「二酸化炭素銀行」の開設や有償休耕などの農地保全計画の拡大によって別の所得源を確保し、同時にエタノール生産を振興させて穀物価格全体の底上げを図ろうという思惑だ。

一方、バイデン次期大統領にとっては、2年後の中間選挙で中西部などの接戦農業州の議席を共和党から奪還し、上下両院の安定多数を確保することが最大の政治課題だ。それが不可能なら、就任3年目からのレイムダック化、4年後の大統領選敗北の危機に直面しかねない。

バイデン陣営と農業界の思惑は一致するのか。「二酸化炭素銀行」を早期に立ち上げ、脱炭素農業の"うまみ"を農家へ具体的に示していくことが鍵になる。

シリーズ:薄井寛・20大統領選と米国農業

トランプ氏・バイデン氏

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