農政:2015年年頭あいさつ
【2015 年頭のご挨拶】 佐藤 喜作 (一般社団法人農協協会会長)2015年1月1日
あけましておめでとうございます。
一般社団法人農協協会会長・佐藤喜作より、平成27年の年頭のご挨拶を申し上げます。
真剣に国際土壌年に向き合おう
平成27年の新年を迎え謹んで年頭のご挨拶を申しあげます。
新年は乙未(キノトヒツジ)で羊をあてている。羊は偶蹄類の牛科の反芻動物で極めて温和で、人間が神に捧げる生贄の対象であった。そんなことを思うと地球が平和になる年であることを只管祈るだけである。
昨年末の政争にもならないアベノミクスの信任を問う衆院選挙で、肝心の優先すべき自然、とりわけ大地、地下水、生物や人間の健康破壊、憲法、集団的自衛権、原発、農村、農の衰退などの重大事項はカモフラージュして選挙を強行し、遂に圧倒的に自公が多数を占め、戦前の独裁化を想起させる状況で憂慮される。
◇ ◇
本年は国際土壌年である。昨年は国際家族農業年であったが、全く一般には啓蒙されずに終了してしまった感じである。何故家族農業が取り上げられたのか。経済論からすると、規模拡大し、法人化を進めるのが合理化だとした。しかし企業となれば第一の目的が利潤追求になり、安全安心な農産物生産が疎かになる可能性があるからである。家族農業では、自食、自給農となり、安全な農産物生産となる。今年が何故国際土壌年か、それは世界諸国共通で砂漠化によるエロージョンの進行は、土壌の流亡や風散が深刻で、異常なドカ雨等で、日本の畑地も深刻である。しかし有機畑は難を逃れている。
また土壌汚染はカドミウム、化学物質、硝酸塩汚染が目立ち当然地下水汚染にも波及し軽視できない状況である。だから雨量の少ない欧州大陸では耕地面積に応じた家畜の飼育頭数は極めて厳格に守られている。
◇ ◇
最近は施設を利用した生産にあらざる製造農産物が急激に増加しているが、植物の光合成も不完全で、土壌野外生産された農作物が持つ計量しがたい微量成分が欠如したものとなり、医食同源と言われる食べ物の役目を果たせるのか、甚だ疑問である。日本では2人に1人が癌になるという。
政財界を中心に、農協改革が強行されようとしているが、今の農業や農協のどこが悪いというのであろうか。今後鉱工商業が遍く労働可能者を雇用して行ける力があるのか、失業者や派遣労働者に生活費を配分して行ける自信があるのか、近代化による人類失業時代になったら、どうなるのか。食は総ての人の欠かせぬものでこれを独占で生産することは許されない。
◇ ◇
この大事なことを解決できるのは農であり、農協の活動である。その基盤が土壌である。生物は総て土の子である。改めて土壌に依拠した弛まぬ運動を農協主導で活躍する年でありたいものである。
各位のご多幸、ご健勝を祈ります。
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