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特集:緊急特集 TPP大筋合意―どうする日本の農業

2015.10.16 
TPP「大筋合意」、これを反転させるために一覧へ

加藤好一 生活クラブ生協連会長

 多くの国民や生産者が反対していたにもかかわらず、米国アトランタで行われていたTPP交渉が10月5日に大筋合意した。大筋合意への意見や今後の日本農業の在り方などについて、多くのご意見が寄せられている。これらのご意見を逐次掲載していくことにしている。
 今回は、生活クラブ生協連の加藤好一会長のご意見を掲載する。

1.ウソを積み重ねた末の「大筋合意」

加藤会長 安保法制、農協法「改悪」などに加え、TPP(環太平洋連携協定)交渉が、「大筋合意」という事態になってしまった。戦後70周年という節目の年にあって、なんという政治が展開されてしまったことか。失うことのみ多く、得るものがほとんどないと指摘され続けてきたTPP。秘密交渉を建前にほとんど情報が開示されないまま交渉が続けられ、ついに「大筋合意」に至ってしまった。
 それにしても、「聖域」とか「国益」とかの言葉はどこにいってしまったのだろうか。明らかにされてきた範囲の情報からすると、そのような言葉を納得できる形でこの「大筋合意」に見出すことはできない。政府はもちろん強弁してこれらを死守したというのであろうが、衆参両院の農林・水産委員会決議に記された、交渉からの「脱退」の域を大きく超える「譲りまくり」で、交渉の体をなすものではない。しかもTPPと並行して行われていた日米二国間協議の「譲りまくり」は目を疑うほどだ。
 政治家が発する言葉が、これほどまでに軽く不誠実であっていいはずがない。私たちは同時に、この間の日本の交渉姿勢が、各国に比して突出して前のめりであったことを、記憶にとどめおかなければならない。

2.TPPはそもそも違憲

 ところでこの「大筋合意」。これが極めて怪しいものだという情報もある。元農相の山田正彦先生は、TPP阻止をライフワークとされておられるが、今回の閣僚会議があったアトランタ(米国)にも情報収集に行かれていた。その山田先生は「虚構」の可能性が強いとおっしゃっている。今回「大筋合意」ということにしておかないと、TPP交渉は「長期漂流」ということになりかねないからだ。
 私たちは、山田先生のご指導の下、「TPP交渉差止・違憲訴訟の会」(現在会員数4600人、原告数1600人)という活動を始めている。私たちは安保法制ともに、TPPも違憲であると考えている。
 TPPは国の主権を損ない、国民の知る権利や健康、生命、幸福に生きる権利を侵害する。私たちはこのような立場からする集団訴訟として、この運動に着手した。
 山田先生がここで特に強調されていることがある。安保法制は政権が代われば元に戻すことも可能だが、TPPは元に戻すことが相当に困難であり、いったん成立してしまうと、これに合わせて国内法を書き換えなくてはならなくなる。だからなんとしても成立させてはならないということだ。このことの理解を拡げていかなくてはならない。

3.「大筋合意」の先を阻止する

 わが国は戦後70周年にあって、立憲主義、平和主義、民主主義を破壊されてしまった。なんとしてもこの状況を反転させ、失ったものを取り戻さなくてはならない。そのためには、新しい政治勢力の登場が不可欠だ。
 そのような可能性を十二分に示唆する新しい活動が始まった。「オールジャパン:平和と共生」の総決起集会が、10月8日に都内で開かれたのだ。この会では様々な課題が定期されたが、主に三つの重要テーマについて議論され、共通認識とされた。
 一つは憲法についてで、今回の安保法制を早期に廃止しなければならないということだ。二つは原発についてで、再稼働を許さないということだ。そして三つがTPPについてで、「大筋合意」されたにしても、今後の協定署名や国会承認を絶対に阻止しようということだ。
 これらの認識が、国民の多数意思であると私たちは確信している。とすれば、この多数意思が政治に反映できるような、政策基軸、超党派、主権者主導の原則に基づく主権者の連帯運動の輪を広げてゆくことが必要だ。私たちは総決起集会の集会宣言としてこれらを確認した。
 TPPについて言えば、とにかく現状はまだ怪しげな「大筋合意」にとどまるのであり、具体的な協定文の合意だけでも数カ月の時間が必要だと言われている。また交渉各国も様々な事情を抱えていて、そう簡単にまとまらないと聞く。したがって、まだまだこの状況を打開する余地は大いにあるのだ。
 これをより確実なものにしたい。そのために、「TPP交渉差止・違憲訴訟の会」、ならびに「オールジャパン:平和と共生」の会の趣旨にご賛同いただき、ご参加されることをお願いしたい。

 なお、皆さまのTPPに関するご意見を下記までメールでお寄せ下さい。

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