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農政:緊急特集 TPP大筋合意―どうする日本の農業

消費者と結んでTPP批准阻止運動を展開2015年11月9日

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東山寛(北海道大学大学院農学研究院講師)

 多くの国民や生産者が反対していたにもかかわらず、米国アトランタで行われていたTPP交渉が10月5日に大筋合意し、その後さまざまな情報が政府から断片的に、全国紙などを通じて発信されている。そうしたなかで、TPP大筋合意への意見や今後の日本農業の在り方などについて、多くのご意見が寄せられており、それらのご意見を逐次掲載しているが、今回は、北海道の農業に詳しい北海道大学大学院の東山寛講師のご意見を掲載する。

◆不信感だけが募った農水省説明会

東山氏 10月5日のアトランタ合意から1か月立った。11月5日には、協定管理国の地位にあるニュージーランドの政府サイトにTPP協定の全文(暫定版)が掲載され、協定が出来上がっていることはひとまず確信した。
 ここまで来ると「批准阻止運動」を強力に展開しなければならないが、それがうまく出来ていない。「国会決議違反」を問うはずの臨時国会が開かれなくなったせいもあるが、それだけではない。
 この1ヶ月、政府によるTPP情報の開示はまるで週刊誌並のペースである。全国紙の1面を飾ったのも片手では足りないだろう。我々は情報の海に溺れて、TPP交渉の結果を検証する時間的余裕が十分に与えられていない。そして、政府・与党による国内対策の検討も急ピッチで進められている。農業団体は「要請」に駆り立てられ、運動展開は二の次にならざるを得ない。推進側からすれば、思うツボだろう。
 農業現場のTPPの受け止めは、3つの「ど」に尽きる。「どうなるのか」「どうするつもりなのか」「どうすれば良いのか」であり、順に「影響」「対策」「対応」と言い換えても良い。この点の説明は甚だ不十分で、農水省が開催している説明会でも不信感だけが募っただろう。

◆もっとも押し込まれた牛肉・豚肉

 今回のTPPの「決着」で、もっとも押し込まれたのは誰が見ても牛肉・豚肉である。
 豚肉は差額関税制度の骨格を残した。そして、農水省は相変わらずの「コンビネーション輸入」が続くとみている。しかし、524円(kg当たり、以下同じ)の「分岐点価格」で支払う関税は現在23円だが、従価税(4.3%)が撤廃されればゼロになる。コンビネーションが続くのだとすれば、事実上の関税撤廃だろう。このことをきちんと説明しないのはおかしい。
 さらに、コンビネーションが続くのかにも疑問がある。低級部位(おそらくは300円以下)は50円の従量税さえ払えばいくらでも輸入できるのであり、養豚協会もそう見ているだろう。輸入動向が読めないから、「影響」もまるでわからない。

◆畑作を直撃する関税撤廃・削減

 関税の撤廃・削減は、国内助成の財源不足に直結する。牛肉と共に、これが一番心配されるのが畑作物である。
 小麦はマークアップの「45%削減」が唐突に示された。現在のマークアップは約17円、総額は800億円とされており、このままでは大幅な支援切り下げをもたらす。しかも、農水省は「45%削減」としか説明してこなかったが、公表された協定附属書を見ると「1年目:16.4円」から「9年目:9.2円」と数字が書き込んである。すでに「決着済み」であるなら、具体的な数字を示すべきである。不信感はますます募った。
 同じく砂糖でも、輸入粗糖に賦課している調整金が削減されている。農水省の説明資料では、高糖度粗糖(98.5~99.3度)の関税を撤廃し、調整金を残したとしている。この扱いは、日豪EPAでも同じだった。
 しかし、大きく違うのは、日豪EPAの場合は高糖度粗糖(ハイポール)の調整金を、一般粗糖(98.5度未満)の調整金よりも高く設定していたことである。TPPはこの価格関係を逆転させた。高糖度粗糖の調整金は39円で、一般粗糖は40.5円である。豪州産ハイポールへの切り替えが進めば、調整金収入は減少せざるを得ない。農水省はこのこともきちんと説明しなかった。調整金収支は今でも100億円を超える累積赤字を抱えている。制度そのものの存続にも不安がある。

◆最大の被害者は消費者

 今回の「対策」で発効後に必要な予算措置まで盛り込めるはずもなく、早くとも来年夏だろう。そこが参院選とも重なり、推進側のもうひとつの思惑を感じるが、財源の確保が見通せないのであれば「TPPをやめてくれ」と言うしかない。その判断をするのは、今ではない。
 牛肉の「対応」は、非常に悩ましい。関税をあの通りに削減して9%にするのであれば、乳用種(ホル雄)は本当にやめるしかない。TPPの牛肉セーフガードは輸入増がなければ発動せず、全く当てにならない(この点も説明不足)。10年間は緩やかな削減期間をとっているので、現場レベルで「構造調整」をせよ、ということなのかもしれない。
 反面、消費者は値頃感のある国産牛肉の入手機会を確実に失うだろう。食料が「過剰」から「不足・不安定」に向かっているこの時代に、そういうことで良いのか。TPPの最大の被害者は、おそらくは消費者だろう。
 我々は消費者と結んで、TPP批准阻止運動を展開していく。

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