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農政:許すな命の格差 築こう協同社会

【特集:許すな命の格差 築こう協同社会】現地ルポ:JAみやぎ登米「環境保全米」冷害に強かった 耕畜連携の循環農業2021年7月6日

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今、国際社会では、地球環境問題をどうするのかが全人類の最大の課題となっている。これまでの経済活動優先社会からの脱却、脱炭素社会の実現、持続可能な環境・経済・社会づくり(SDGsの取り組み)は全人類の共通目標である。命と食を守る協同組合である我々の農協では、特に環境保全農業の実現が問われている。そんな中、先進的に大型合併農協による大規模な循環型環境保全農業の確立を全地域ぐるみで取り組んできた、JAみやぎ登米の環境保全米と高級和牛産地化の活動を取材した。(取材・構成:客員編集委員 小林光浩)

現地ルポ:JAみやぎ登米「環境保全米」

耕畜連携が奏功 特別栽培一気に

環境保全米運動の展開

JAみやぎ登米における環境保全米の取り組みは古い。それは、1998(平成10)年に広域合併する前の中田農協の取り組みであった。1996(平成8)年、生産者と消費者を中心とした「環境保全米実験ネットワーク」が発足し、そのメンバーだった中田農協の阿部長壽組合長が環境保全米の栽培実験を行ったことに始まる。翌年(1997年)からは販売することにした。1998年からは、環境保全米ネットワークが設立され、環境保全米運動が実験から実践の段階となった。

その後、広域合併農協「みやぎ登米」となってからは、2002(平成14)年、阿部長壽さんが合併農協の組合長(平成14年6月から平成20年6月まで)となって、「売れる米づくり」として全地域での環境保全米運動を本格的に進めた。

翌2003年、冷害で作況「69」の中、耕畜連携による堆肥を活用した土づくりを行っていた環境保全米に取り組む農家は、被害を受けずに米がとれたのが、環境保全米運動に拍車をかけた。そして3年後の2006年には、JAでの取り扱う67万俵の84%が環境保全米として販売するまでになったのである。

こうした取り組みは全国的な評価が高く、2006年3月にはJA稲作部会連絡協議会が「第35回日本農業賞の大賞(集団の部)」を受賞した。

循環型農業の実践

JAみやぎ登米が地域全体で実践している環境保全型農業とは、農業の持つ物質循環機能を生かし、生産性との調和などに留意しつつ、土づくりなどを通じて化学肥料や農薬の使用などによる環境負荷の軽減に配慮した持続的な農業を行うことである。

特にJAみやぎ登米は、年間約4500頭を出荷する「黒毛和牛の仙台牛」の一大産地である。年間のJA畜産販売額は71億円(令和2年度)を超える。その畜産に対しては、環境保全米の安全で豊富な稲わらを与え、その家畜が生み出した堆肥によって環境保全米の土づくりを支えるという循環型環境保全農業が実践されている。

JAみやぎ登米の環境保全米の販売(令和2年度)は、59万俵の77%となっている。残りの23%は慣行栽培米である。環境保全米の品種は、「ひとめぼれ」3万1357t(全体の88.5%)、「つや姫」1210t(3.4%)、「ササニシキ」1143t(3.2%)、「つきあかり」757t(2.1%)、「だて正夢」558t(1.6%)など。

JAみやぎ登米の環境保全米は、Aタイプ、Bタイプ、Cタイプのメニュー方式である。Aタイプとは、有機JAS認定で化学農薬は原則不使用、化学肥料(窒素成分)も原則不使用のもの。Bタイプとは、特別栽培で化学農薬は5成分以下、化学肥料(窒素成分)は不使用のもの。

Cタイプとは、特別栽培で、化学農薬が当該地域で慣行的に行われている使用回数の2分の1以下、化学肥料(窒素成分)が当該地域で慣行的に行われている使用量の5割以下のもので環境保全米の中で最も多い。こうした安全・安心の米を消費者へ届けている。

現地ルポ:JAみやぎ登米「環境保全米」

生消の垣根低く 産地の価値PR

環境保全米の輸出への挑戦

我が国の米づくりは、米の消費減少がすすみ過剰供給にあるため、米価の安定を図るために主食用米の減産が求められている。米価の安定には需給バランスを見た生産調整が求められる。JAみやぎ登米においても米穀販売額は、合併時(1998年)に151億円あったものが80億円(令和2年度)まで激減した。

JAの管内である登米市の転作割合は40%となっている。令和3年産主食用米の生産目安は9449ha(5万3557t)で、前年に対して550ha(2773t)の減少となっている。更には、在庫増加による宮城県産米需給改善の取り組みによって、登米市に198haの主食米からの作付け転換の追加拡大があった。

米価を維持するためには「売れる米づくり」とともに、主食用米の需給調整としての生産調整が求められている。そのためにJAみやぎ登米では加工用米や飼料用米への取り組みとともに、輸出用米の取り組みに挑戦している。

輸出用米の取り組みは、2018年産(平成30年)から始まった。その輸出米の推移は、2018年度938t(168ha)うち環境保全米992.5t、2019年度1835t(329ha)うち環境保全米1275.7t、2020年度12428t(435ha)うち環境保全米1749.8t、2021年5月現在3011t(539ha)と拡大している。生産者も474人へと増えた。

輸出先は、2019年産では香港1604t、米国110t、タイ31t、シンガポール・英国・オーストラリア・マカオ・インドネシアなどその他90t。

その輸出米の課題は、農家手取りの確保であるため、輸出米の価格差に対する国の政策支援が欠かせない事である。

環境保全米の学校給食化

2020年11月から、宮城県内28市町村の小学校・中学校の学校給食で環境保全米「ひとめぼれ」の提供が実施された。JAグループ宮城の取り組みである。こうした次世代を担う子どもたちへの食農教育は大事である。

環境保全米とはどういうものか、環境保全米が食卓へ運ばれるまでの生産現場の取り組み、安全・安心なみやぎの米、田んぼの生き物調査など、小さな子どもたちにも分かりやすく解説したパンフレットも提供している。

「赤とんぼが乱舞する産地をめざそう!」を合言葉に始まったJAみやぎ登米の環境保全農業の取り組みは、消費者の理解と支持がなければ続かない。その意味でも食育は重要な取り組みである。生産者にとっては手間暇と高度な管理技術を必要とする環境保全農業。しかし、市場での価格差は低く、適正に市場評価されていないのが現実である。

環境保全農業を維持し拡大するためには、生産者の理解が必要であるとともに、消費者・市場も適正な評価をするための価格の確保に対する支持が強く求められるのである。

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