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農政:許すな命の格差 築こう協同社会

【特集:許すな命の格差 築こう協同社会】提言:「協同労働」の社会化へ 古村伸宏 ワーカーズコープ連合会理事長2021年7月13日

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昨年12月、コロナ禍の混乱のさなかに、全党全会派の賛成を得て新たな協同組合法「労働者協同組合法」が成立した。この法が持つ意味と役割、さらにコロナ禍を乗り越えて、さまざまな社会関係を協同の原理で結びなおす契機となるであろう「協同労働」の考え方などについて、古村ワーカーズコープ連合会理事長に提言していただいた。

古村伸宏 ワーカーズコープ連合会理事長古村伸宏
ワーカーズコープ連合会
理事長

労働は商品でも部品でもない

第2次大戦下の1944年、ILO(国際労働機関)は「国際労働機関の目的に関する宣言」、いわゆるフィラデルフィア宣言において、「労働は商品ではない」という原則を掲げた。以来40年余の歳月を経て、日本社会の労働をめぐる状況は、商品どころか部品の如く扱われる傾向が顕著となっている。格差社会の元凶を探れば、必ずこの問題に行き着く。

また1980年、ICA(国際協同組合同盟)モスクワ大会におけるレポート「西暦2000年における協同組合」、いわゆるレイドロー報告では、「将来の選択:4つの優先分野」の第2に「生産的労働のための協同組合」を掲げた。そこでは労働者協同組合が、資本と労働の関係を逆転させ、さらには雇用や所有といった感覚よりももっと深い内面的ニーズとしての「人間性と労働の関わりにふれるもの」として期待した。レイドロー報告の核心は「思想の危機」と捉えられ、組合員の参加の低下に警鐘を鳴らしたが、この危機克服の重要な一つとして「労働の協同化」を呼びかけたといえる。

格差拡大に歯止めがかからず、コロナ禍によって一層「生きづらさ」が蔓延する今日の社会状況の中で、フィラデルフィア宣言とレイドロー報告を結んで捉え直し、「労働の商品化から協同化へ」というコンセプトとその実践が、重要なインパクトを持つ。しかもこのインパクトは、人間や社会のあり方におけるラディカルな問題提起となりうるのではないか。

また、人間社会に止まらず、地球全体の持続可能性の危機に直面する今、ラディカルな提起と大胆なシステムチェンジは必須といえる。「我々の世界を変革する」と打ち上げた、SDGsを中核とする「持続可能な開発のための2030アジェンダ」は、経済成長を優先するグローバル企業の道具と化しているという指摘も強く、根源的な「命」「地球」「自然」「生態系」といった価値の据え直しが求められる。そのことは、人間と社会にとっての「労働」の意味を問うことと同心円状にあり、労働の根源的な問い直しは、人間の生命活動全般に及び、持続可能性を左右する人間の営為の大胆な変化を呼び起こすだろう。

コロナ禍で成立した「労働者協同組合法」の可能性

コロナ禍の混乱の中、昨年12月に「労働者協同組合法」が全党・全会派の積極的な賛同によって成立した。日本における42年ぶりとなる協同組合の新法である。

ようやく誕生した日本の労働者協同組合法は、法律がない中で先行した実践が豊かな可能性を事実として示し立法事実となった。その内容は多岐にわたるが、様々な事業領域での活用とともに、最も期待が高いのは「協同労働」という働き方・労働文化といえる。

日本の労働者協同組合は、その実践の中から自己の規定を「協同労働の協同組合」と発展させてきた。労働者協同組合という「しくみ」をこえて、「労働」が「協同を耕す営為」として位置づけられる協同組合といえる。また、「組合員主権」を追求するという協同組合全般に関わるラディカルな挑戦といえる。同時に、労働者協同組合の「仕事(事業)」は広く市民に届けられる。「労働」と「生活」を、生産や提供と消費や利用という二項対立構図とする資本主義システムの矛盾と分断のメカニズムに対して、労働者協同組合における「協同労働」というコンセプトは、「労働」と「生活」の分断を協同の関係に結び直すということである。

働くことの尊厳や誇りは、働く仲間と共に仕事をやり遂げると共に、その仕事を受け取る人たちとの信頼や相互感謝の関係の中で実感となる。労働者協同組合法は、「協同労働」が様々な社会的関係を「協同の原理」で結び直す契機となり、「働く・暮らす・生きる」をトータルに考え価値づける提起となるだろう。

民主主義を探求する協同組合運動へ

世界を覆う「持続可能性の危機」は待ったなしである。協同組合はこの危機をどう捉え、どんなアクションを起こし、どんな役割を果たす必要があるだろうか。この問いを立てることは、協同組合とは何かを問うことと同義である。それは同時に、組合員とは何者かを問うことから出発しなければならない。

「共通の利益」で結ばれている組合員は、何に「共通の利益」を感じているのか。また組合員の中にある様々な課題をどう共有するのか。つまり、一人ひとりの組合員のリアルな今から出発するということである。そしてその課題が個人の課題からみんなの課題として共有できるのか、その試行錯誤が求められているように思う。

コロナ禍によって人々の分断が広がり深まっている。様々な関係が切れた状態が「生きづらさ」の根源にある。そして「あきらめ」を蔓延させる。関係が切れた社会の中で、まず「つながる」ことが命をつなぐとしたら、協同組合はまず「つながる」「つなげる」存在として社会に認知されるべきであり、それにふさわしいアクションが問われる。

そして、つながった先にある「生きていくための課題」を交流し合い、やるべきことややりたいことを徹底して組合員の中から積み上げていくことが、社会に蔓延する「あきらめ」を払しょくする協同組合の可能性を示すことになる。それは、組合員が主権性を発揮し、協同組合の内実を手応えあるものに高めていくことであり、「民主主義」を探求する協同組合運動がコロナ後の社会を示唆するであろう。それはレイドロー報告が呼びかけた「組合員参加」への今日的な挑戦でもある。

未来に向けて「協同」の芽を総力で育む

「共益組織」の協同組合が社会性・公益性を重視し拡大する潮流が世界で広がっている。日本においても協同組合のアイデンティティを再考する時期にある。そのカギは「協同による公共の創造」にあるだろう。

協同組合が総力をあげ、「協同の原理」を社会に広げることは、単なる組織拡大を意味しない。異なる個性を持った協同組合が協力し合うことで生まれる「公共」の領域を広げることであり、今最も焦点化すべき課題は「子ども・若者」の学びと育ちへの全面的な関与ではないだろうか。この課題は、数年で成果が計れるものではない。時間をかけて育む社会の基盤づくりといえる。不登校の子どもたちの数は増え続け、自ら命を絶つ若者・子どもの数は深刻な状況である。貧困問題は子どもたちの学びに悪影響を及ぼしている。こうした事態に呼応し、フリースクールや森のようちえん・里山保育、学習支援やプレーパークなど、既存のシステムに対するオルタナティブな取り組みが広がり始めている。

これら新しい学びや育ちの実践の根底には、自然の中での「多様性」「主体性」「協同性」の体感が据えられている。この新たな学びと育ちの場面において、原初的な「協同の体験」と「基本的信頼関係」が一人ひとりの実感となるならば、その裾野が広がるほどに「協同・共生の社会」の礎が築かれることになる。ここに協同組合とその連携活動の最大の焦点が見出せるのではないだろうか。

システムを大胆に転換する「非営利・協同」の運動を

時代の転換期に、協同組合もまた自己変革が問われる。

この変化を起こすのは、一人ひとりの組合員である。その変化は、この社会の主体者は一人ひとりの市民である、というメッセージとなる。

協同組合の多様な連携による「持続可能な地域のよりよい仕事・くらしづくり」を目的とする日本協同組合連携機構(JCA)が発足し3年が経過した。この連携が地域を変えていくインパクトを有する上で、協同組合の外にある人々との連携が不可欠な課題になりつつある。労働者協同組合が中小企業にインパクトを与えているように、協同組合が他のセクターに「協同の価値」を示していける可能性は大きい。その結び目となるのは「非営利・協同」へのシステムチェンジであり、それを目指し共にアクションを起こす「運動」の深化・発展にかかっている。協同の種は地域に無数に存在する。問題はその種を発見し選りすぐる私たちの「協同の感度」である。

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