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農業イノベーションパイプライン販売見込み引き上げ BASF2020年3月23日

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 ドイツのBASFは3月19日、農業ソリューションのイノベーションパイプラインにおける販売見込みの最高額を75億ユーロ以上に引き上げたと発表した。

世界中で農業ソリューションに取り組むBASFの研究者世界中で農業ソリューションに取り組むBASFの研究者

 BASFは2029年までに、新規の種子と形質、化学的および生物学的農薬製品、デジタル製品、提供範囲を拡大する新しい製剤などを含む30以上のプロジェクトの立ち上げを予定している。

 近年力を入れている農業ソリューションのための研究開発投資を基盤とした2020年の支出は、アグロソリューション部門で売上高の約11%を占める8億7900万ユーロの研究開発費を充当した2019年並みを予定している。

 BASFアグロソリューション事業本部プレジデントのヴァンサン・グロ氏は「生産者と環境の両方に利益をもたらす製品とソリューションを特定し開発するため、継続的に投資していく」と話している。

 BASFのイノベーションパイプラインは、現在の農業課題に対応するため、「大豆・トウモロコシ・綿」「 小麦・キャノーラ(アブラナ)・ひまわり」「 米」「 果物・野菜」の4つの作物栽培に新しい技術とソリューションの焦点を当てる。

 BASFの研究開発イノベーションの強みの一例は、「小麦・キャノーラ(アブラナ)・ひまわり」を含む作物栽培システムにおけるパイプラインプロジェクトを通じて実証され、約120億ユーロの市場規模に対応。この市場で、水や農薬をほとんど必要としない干ばつや暑さに耐性のある作物だけでなく、気候耐性があり、高い収量を得られる農業のための革新的なソリューションを開発している。


 同社のイノベーション事例は以下の通り。

◆除草剤
 世界中の生産者が、効果的な雑草管理へ継続してアクセスできることを保証するため、二つの新しい除草剤の有効成分、LuximoとTirexor(ティレクサー)を開発。2020年以降、主に小麦生産者に、制御が困難な草や広葉雑草を管理する新たな可能性をもたらす。また、除草剤に耐性のある雑草を管理し、不耕起農法のようなCO2排出量を削減する農法を可能にする、新たな作用機作に取り組んでいる。

◆ 殺菌剤
 高度な規制基準を満たし、園芸作物と穀物類で、防除困難なさまざまな病害に対して優れた防除効果を発揮するRevysol(レビゾール)を発売。また、住友化学と共同開発した新規殺菌剤Pavectoは、生産者にとってユニークな耐性管理のツールとなる。

◆殺虫剤
 殺虫剤ポートフォリオをさらに拡大し、生産者にさらなるソリューションを提供するため、三井化学アグロと共同で、Broflanilide(ブロフラニリド)を開発した。2020年以降に発売される新しい有効成分は、生産者がジャガイモ甲虫などの害虫から園芸作物や畑作物を守るのに役立つ。ブロフラニリドは、最近発売された殺虫剤Inscalis(インスカリス)とともに、同社が今後10年間にわたって展開する殺虫剤におけるイノベーションの一部となっている。

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