抵抗性害虫にも効果 新殺虫剤アレスを発売-住友化学2022年1月17日
住友化学は1月から新規有効成分オキサゾスルフィル(一般名)を含有する水稲育苗箱施用剤「アレス箱粒剤」と混合薬「スタウトアレス箱粒剤」の発売を開始し、14日に発表会を開いた。

左から藤本博明執行役員、水戸信彰代表取締役専務執行役員、
森本義之アグロ事業部長、河西康弘アグロ事業部マーケティング部長
オキザソスルフィルは住友化学が独自に開発した殺虫成分で、昆虫の神経伝達を阻害する。
通常は刺激が神経細胞に伝わるとナトリウムイオンが流入して刺激が連続的に伝わっていくが、オキザソスルフィルはナトリウムチャネルをブロックするため、刺激が正常に伝わらなくなる。そのため害虫は麻痺状態になり、摂食や吸汁ができなくなったり、茎などに定着できず落下してしまう。交尾や産卵もできない。
オキサゾスルフィルは幅広い殺虫スペクトラムを持ち、初期害虫やウンカ類、イナゴ類、チョウ目など水稲の主要害虫をはじめ広範な害虫に対して効果を示す。
また、抵抗性を持った害虫にも優れた効果を示すことから、水稲栽培での新たな防除手段として期待される。

環境負荷を低減
こうした特長を持つことから、農薬の使用回数の削減を通じて省力化と環境負荷低減に貢献できるほか、使用できる農薬成分数が制限される特別栽培米向けの防除資材としての適用も見込まれる。
稲に対する安全性は高く、播種前(床土混和・覆土混和)から播種時、そして移植当日まで広い時期で使用できる。育苗期の防除のためミツバチなどの昆虫が暴露する機会はなく、一方、稲の成長後に飛来したトビイロウンカなどにも十分な残効性が確認されているという。
同社はオキサゾスルフィルがネオニコチノイド系農薬に「伍するような剤になることを期待」するとしており、育苗箱処理剤で持つシェア25%を将来は35%までに拡大することを目標とする。
このほか、植物の病害抵抗性を高める殺菌成分イソチアニルも混合し、いもち病などの病害に対しても効果を発揮する「スタウトアレス箱粒剤」も製品ラインアップに加えた。「アレス」はドイツ語で「すべて」の意味。
また、同社が供給するオキサゾスルフィルを含有する製品としては、クミアイ化学工業(株)から「ブーンアレス箱粒剤」、協友アグリ(株)から「稲名人箱粒剤」が発売される予定となっている。
発表会で同社の水戸信彰代表取締役専務執行役員は「少ない量で簡便に使用でき長期間にわたって確実な効果が得られる新製品を継続的に開発することで農業者の省力化に貢献していく」と述べるとともに、国のみどりの食料システム戦略もふまえ、化学農薬だけでなく、天然物由来によるソリューションに取り組む「バイオラショナル事業の拡大、強化もめざす」と強調した。
「アレス」と「スタウト」は住友化学、「ブーン」はクミアイ化学工業、「稲名人」は協友アグリの登録商標。
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