農薬:現場で役立つ農薬の基礎知識2015
【現場で役立つ農薬の基礎知識2015】効果が優れ営農に役立つ水稲向け農薬2015年12月11日
平成28農薬年度全農取り扱い農薬の紹介
JA全農肥料農薬部技術対策課
【1】除草剤
・新規剤も登場AVH-301
・混合剤で省力化MY-100
・雑草多い水田は体系処理を
【2】殺虫・殺菌剤
・種子消毒は必須
・初期防除は育苗箱処理剤で
【3】農薬大型規格
・「デカぞう君」でコスト引き下げ
・使いやすく充実した品揃え
JA全農は、効果が優れ、低コスト・安全・省力などの利点があり、農家の営農に役立つ農薬の普及推進に取り組んでいる。ここでは平成28農薬年度に取り扱う水稲用農薬の一部と、コスト削減に寄与できる大型規格について紹介する。
【1】 除草剤
◆新規剤も登場 AVH-301
全農とバイエルクロップサイエンス(株)、北興化学工業(株)は除草剤AVH-301(テフリルトリオン)を共同開発し、本格上市5年目に当たる平成27年は「エーワン」「ゲットスター」「ボデーガード」「コメット」の4剤が全国14万haの水田で使用された。
AVH-301は、SU抵抗性雑草を含む一年生広葉雑草や多年生雑草、全国的に増えているイボクサ、クサネムといった特殊雑草に高い効果を持つことが評価されている。
27年度はAVH-301を含む新規除草剤として、一発処理剤の「カチボシ」と、初の中後期剤「ワイドショット」が上市された。28年度は新たに一発処理剤の「キマリテ」、中後期剤の「レブラス」が上市される予定で、さらなる普及拡大を目指す。
◆混合剤で省力化 MY-100
全農がバイエルクロップサイエンス(株)と共同開発したMY-100(オキサジクロメホン)は、ヒエに対する高い効果と残効性が特長である。
現場のニーズに合わせて選択できるようラインナップも充実しており、上記AVH-301との混合剤である「エーワン」、ピラクロニル・ピラゾスルフロンエチル・ベンゾビシクロンとの4成分混合剤である「シリウスエグザ」、ピリミスルファン・ベンゾビシクロンとの3成分混合剤である「ナギナタ」、ピラクロニル・イマゾスルフロンとの3成分混合剤である「サラブレッドKAI」などが普及している。
いずれもコナギ、アゼナなどのSU抵抗性雑草や多年生難防除雑草に高い効果を示す。
27年度は「サラブレッドKAI」の3成分にブロモブチドを追加することでホタルイへの効果を増強した「バッチリLX」が上市された。「シリウスエグザ」「ナギナタ」「サラブレッドKAI」「バッチリLX」は田植同時処理も可能で、省力化を図ることができる。
◆雑草多い水田は体系処理を
雑草の発生量が多い水田では、MY-100やAVH-301混合剤と初期剤や中後期剤との体系処理を推奨している。
初期剤である「メテオ」は、一発処理剤との体系処理により低コストで安定した効果が期待できる。
中後期剤には前述の「ワイドショット」「レブラス」のほか、「フォローアップ」「テッケン」も取り扱う。
【2】殺虫・殺菌剤
◆種子消毒は必須
水稲栽培では健全な苗を作るため、種子消毒は必須である。種子消毒剤としては、「テクリードCフロアブル」が安定した効果を示す。
また、減農薬で使用しやすい微生物種子消毒剤としては、「エコホープ」「タフブロック」がある。
◆初期防除は育苗箱処理剤で
初期防除に欠かせない育苗箱処理剤としては、長期残効型で高い効果を示す「デジタルコラトップアクタラ箱粒剤」や、育苗箱で処理して小型カメムシまで効果を示す箱処理剤の「デジタルメガフレア箱粒剤」、ウンカに効果の高いチェスとチョウ目害虫に効果の高いフェルテラ剤の混合剤である「デジタルバウアー箱粒剤」、さらにいもち剤であるイソチアニルを含むルーチン、スタウト剤などがある。
【3】 農薬大型規格
◆「デカぞう君」でコスト引き下げ
全農は農家の皆様のコスト低減をめざし、通常の規格よりも割安な「大型規格」の普及を進めている。大型規格を使用することにより、単位面積あたりの防除コストを引き下げ、省力化を図ることもできる。
大型規格であることが一目で分かるように「デカぞう君」をデザインし、商品への記載を進めている。JA店舗でお買い求めの際は、「デカぞう君」が目印になる。
◆使いやすく充実した品揃え
平成28農薬年度も主力の除草剤、箱処理剤で大型規格を取り扱う。
除草剤の粒剤や水稲箱処理剤の10kg規格(1ha相当)のほか、除草剤フロアブルの2L規格(40a相当)やジャンボ剤の30a相当規格、「デジタルコラトップアクタラ箱粒剤」などの3kg規格(30a相当)といった一般農家でも使用しやすい規格もある。
播種同時処理のできる箱処理剤の10kg規格は、大規模農家や大型育苗センターなどで機械処理に利用され好評である。
なお、大型規格は地域によって取り扱いが異なるので、まずは最寄りのJAにお問い合わせいただきたい。
(写真)大型規格が一目で分かる「デカぞう君」、稲、コスト低減に貢献する大型規格も充実
重要な記事
最新の記事
-
情報提供やDXで厚生連医療を支える 医薬品メーカーは"節度"ある利潤を 日本文化厚生連・東公敏理事長2025年12月23日 -
数字で読む「令和の米騒動」(上) 混乱招いた流通悪者論 集荷後半に"異変"2025年12月23日 -
数字で読む「令和の米騒動」2025 (下) 始まった損切り 小売りにも値下げの動き2025年12月23日 -
【肉とビールと箸休め ドイツ食農紀行】(4)クリスマスマーケットとホットワイン2025年12月23日 -
神明が先物市場の価格使った契約を生産者に呼びかける【熊野孝文・米マーケット情報】2025年12月23日 -
米のコスト指標作成へ 米穀機構に委員会設置2025年12月23日 -
「令和7年産新米」最大12.5%値下げ アイリスグループ2025年12月23日 -
業務用米の特徴を紹介 播種前・書面契約のリスク管理 東京で業務用米セミナー&交流会2025年12月23日 -
甘み増す旬野菜「和歌山県産冬野菜フェア」直営店舗で開催 JA全農2025年12月23日 -
ノウフク・アワードで「チャレンジ賞」障害者の社会参画や地域農業に貢献 JA全農2025年12月23日 -
「石川佳純47都道府県サンクスツアーin鳥取」4年かけて遂に完走 JA全農2025年12月23日 -
「水戸ホーリーホックJ2優勝&J1昇格キャンペーン」開催中 JAタウン2025年12月23日 -
「トゥンクトゥンク」と「きぼうの種」を宇宙で初披露 年越しイベントを生配 2027年国際園芸博覧会協会2025年12月23日 -
米国ニューヨーク市に人工光型植物工場のマーケティング拠点を開設 クボタ2025年12月23日 -
鳥インフル 英国からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年12月23日 -
鳥インフル ハンガリーからの生きた家きん、家きん肉等の一時輸入停止措置を解除 農水省2025年12月23日 -
鹿児島県南大隅町と包括連携協定を締結 町内事業者と働き手をサポート タイミー2025年12月23日 -
まるまるひがしにほん「東日本酒博覧会~年越し酒~」開催 さいたま市2025年12月23日 -
利用者・行政・協同組合が連携 焼売やナゲットで食料支援 パルシステム神奈川2025年12月23日 -
本格スイーツの味わい「安納芋プリン スイートポテト仕立て」期間限定で発売 協同乳業2025年12月23日


































