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農薬:現場で役立つ農薬の基礎知識

土づくり特集・肥料取締法を改正 地力の回復へ(2) デンカ(株)技術顧問 吉田吉明・技術士【現場で役立つ農薬の基礎知識2020】2020年12月9日

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土づくり特集・肥料取締法を改正 地力の回復へ2

石灰窒素は格好 土壌消毒剤と併せて

2.野菜畑の土壌病害虫の防除

野菜畑では、同一のほ場で同じ仲間の作物を連作すると、土壌病害やセンチュウ害が発生しやすい。そのため、基本は連作を避け、土づくりにより腐植が多くて物理性や化学性が適正なほ場にすることが大切である。
筆者は、石灰窒素は土壌病原菌、センチュウや雑草の密度を下げ、粗大有機物の分解を促進する効果も高く、土づくりには格好な肥料であると思っている。ただ、病虫害が多発したほ場では限界があり、土壌消毒剤と併用すると効果が高まる。
土壌消毒には、熱と土壌消毒剤を利用するものもあるが、いずれも消毒効果を高めるためには、処理方法をきちんと守ることが重要である。以下、主な消毒法について紹介する。

(1)太陽熱・石灰窒素法
夏季の太陽熱と石灰窒素による腐熟促進効果および発酵熱を利用した防除法である。ハウス内で切りわら等を1~1.5トンに対し石灰窒素100~150キロを散布後畝立て、マルチ、湛水などの作業を行い、ハウスを20~30日密閉する方法である。センチュウに高い防除効果を示し、フザリウム菌による難土壌病害にも効果がある。

(2)土壌還元消毒法
ふすま、米ぬかや廃糖蜜など分解しやすい有機物を土壌に混入した後、土壌を水で満たし、太陽熱による加熱を行う。土壌中の微生物により有機物が分解される過程で土壌の酸素が消費し還元状態になり、病原菌を窒息させ死滅させる。

(3)蒸気・熱水消毒
文字通り土壌に蒸気や熱水を注入し、土壌中の温度を上昇させ消毒する方法である。病害虫が死滅する原理は太陽熱と同じで、いかに土壌内部温度を上昇させるかが肝である。

(1)(2)(3)は、持続農業法の「持続性の高い農業生産方式」の化学農薬低減技術として認定されている。

(4)土壌消毒剤による消毒
主な土壌消毒剤の特性を示す。
〇クロルピクリン【商品名=クロールピクリン、ドジョウピクリンなど】
揮発性の液体で、土壌に注入することで効果を発揮する。激しい刺激臭がするので、防護具などの使用が必須である。ガス抜き作業が不要なのが特徴である。

〇D―D【商品名=D―D、DC油剤、テロン】
くん蒸期間は7~14日であるが、クロルピクリンに比べガス抜けが悪いので、丁寧に耕起して、ガス抜き期間3~4日を確実において作付けする。ガス抜きが不十分だと薬害が起きるので注意する。

〇クロルピクリンD―D剤【商品名=ソイリーン、ダブルストッパー】
クロルピクリンとD―Dを効率的に配合し、両者の長所を生かした製品である。刺激臭もやや少なく扱いやすいが、D―Dのガス抜き期間をきちんと守る必要がある。

〇ダゾメット【商品名=ガスタード微粒剤、バスアミド微粒剤】
微粒剤を土壌に均一散布し、土壌の水分に反応して、有効成分であるMITC(メチルイソシアネート)を出して効果を発揮する。そのため、処理時には適度な水分が必要であり、ガス抜き期間も10~14日と比較的長く耕耘が2回以上必要である。主に土壌病害に効果を示す。

〇ホスチアゼート【商品名=ガードホープ液剤】
栽培作物の生育中および栽培後半期にも効果を発揮するセンチュウ防除剤である。高い殺センチュウ力を有し、安定した効果を示す。土壌条件の変動による効果への影響はほとんどない。

土づくり運動50周年 SDGsに一役

おわりに

全農は、来年に土づくりの全国大会を計画している。今年はコロナ禍の影響で全国的な展開でなく事業所ごとに独自の取り組みを行っており、東北営農資材事業所では、東北ブロック土づくり大会を12月に企画している。今年は土づくり運動50周年の年であり、国の施策と併せて、土づくりの機運の高まりを期待している。また、各業界とも「持続可能な開発目標(SDGs)」の取り組みが目立つようになってきたが、「土づくり」も大きな役割を果たせることを付け加えたい。

※吉田氏の「吉」の字は正式には異体字です

土づくり特集・肥料取締法を改正 地力の回復へ(1)

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