人事2024 左バナー 
JA全農人事情報
左カラム_病害虫情報2021
新聞購読申込 230901
左カラム_コラム_正義派の農政論_pc
左カラム_コラム_米マーケット情報_pc
左カラム_コラム_地方の眼力_pc
左カラム_コラム_食料・農業問題 本質と裏側
左カラム_コラム_昔の農村・今の世の中_pc
左カラム_コラム_花づくり_pc
左カラム_コラム_グローバルとローカル_pc
左カラム_コラム_TPPから見える風景_pc
左カラム_コラム_ムラの角から_pc
240401・ニッソーグリーン マスタピース水和剤SP
FMCセンターPC:ベネビア®OD
20241106 ヨーバル sp

農薬:シリーズ

土づくり特集・肥料取締法を改正 地力の回復へ(1) デンカ(株)技術顧問 吉田吉明・技術士【現場で役立つ農薬の基礎知識2020】2020年12月9日

一覧へ

12月5日は2015年(平成27)年に国連が決めた「世界土壌デー」である。また、10月第1土曜日は、農協が制定した「土の日」である。1972(昭和47)年に全農が設定し、翌1973年の第13回農協大会で「土づくり大綱」を決議し、「土の日」が制定された。本紙も、この時期に合わせて「土づくり」の特集を企画しているが、今回は、肥料取締法が改正された背景と土づくり肥料・資材との関係について、長年土づくりの重要性を語るデンカ㈱技術顧問の吉田吉明氏に執筆してもらった。

最新版はこちら

国内資源を活用 データ集積、効率的に

1.肥料取締法の見直しの背景と主な改正内容

(1)はじめに
肥料取締法が15年ぶりに改正され、2019年、11月27日の第200回国会で「肥料取締法を一部改正する法律」が成立し、12月4日に公布された。法律の名称も「肥料取締法」から「肥料の品質確保等に関する法律」に変わった。因みに、肥料取締法は、1950(昭和25)年に制定され、今年が70周年の節目の年になる。
昨年7月に吉川農林水産大臣が出席し「今後の肥料を考えるシンポジウム~肥料制度の見直しなど、改めて土から考える」が開催されたことと、国会で地力低下の問題や土づくりに関する議論が行われ、衆参両議院とも全会一致で成立したことは、土づくりを国民的課題としたい筆者には画期的な出来事であると思っている。

(2)見直しの背景
法改正の見直しの背景は大きく3点であり、「肥料取締制度に係る意見交換会」を受け以下の論点に整理された。
一つは、地力が低下した土壌や栄養バランスが悪化した土壌の増加である。本稿は土づくりの特集であり少し詳しく述べたい。
水田では、堆肥の施用の大幅な減少による地力窒素の低下、土づくり肥料・資材施用量の低下によるケイ酸の不足、最近では鉄、マンガンなどの微量要素、硫黄の不足もみられている。さらに、田畑輪換での地力低下による大豆の収量低下も指摘している。図は意見交換会の委員の秋田県立大学の金田教授が提出した資料で、良食味・高品質米生産と土壌環境について体系的に示したもので参照いただきたい。また、畑や果樹園では、リン酸過剰や加里過剰などによる栄養バランスの悪化や作物によってホウ素などの微量要素の欠乏を指摘している。
二つ目は、産業廃棄物の国内の有用資源の活用である。コスト削減、肥料の安定供給、さらに資源循環の観点から、安価で有機物や肥料成分を含む国内の産業副産物、特に、家畜堆肥や食品残さなどの有効利用をすすめる。
三つ目は、データに基づくきめ細かな施肥や土づくりの展開である。スマート農業に対応し、土壌や作物生育の診断などのデータを活用した栽培管理とこれらと連動し効率的な施肥と省力化で生産性の向上をめざすとした。

(3)主な改正内容
今回の改正で特筆すべきは、配合肥料の生産に関する規制の見直しである。これまでできなかった普通肥料(化学肥料等)と特殊肥料(堆肥等)や土壌改良資材を配合した肥料を届け出で生産できる指定混合肥料、さらに特殊肥料入りや土壌改良資材入り指定混合肥料の制度を新設することで規制を大幅に緩和した。
また、これまでの指定配合肥料に加えて、造粒などの加工を行った肥料も届け出で生産ができる。
一方で、肥料の原料管理制度の導入により、産業副産物など使用できる原料の規格を定め、肥料の生産者や輸入業者に原料帳簿の記帳・備え付けの義務付けや肥料の配合ルールを決めるなど、肥料としての品質と安全性を確保するための規制と虚偽の表示の罰則は強化される。

(4)普及にあたって
今回の改正で、いろいろな成分が含まれた総合的な土づくり肥料・資材の生産が可能となり、生産者にとって選択肢が広がり、施肥作業の省力化は期待できると思っている。
ただ、家畜ふん堆肥を原料とした指定混合肥料は、原料の発生や堆肥化の場所が限定され、生産と流通は地域が限られると思っている。家畜ふん堆肥の利用については、化成肥料を配合した混合堆肥複合肥料が、既に普通肥料で登録されており、有機化成の代替とし広域に利用されることが今後期待される。
一方、堆肥などの原料が使いづらい大手化学メーカーにとっては、堆肥以外の様々な原料を使用し届け出で多様な肥料が生産・販売できるが、銘柄数が増えコストがかさむ可能性があり、作る側、使う側双方の理解が大切だと思っている。
今度の改正で、肥料の種類は169規格から137規格に編成された。うち、5規格が新設され、硫酸カルシウムが特殊肥料から普通肥料になり、有効石灰や硫黄分の保証が新設された。これまで石灰はアルカリ分として土壌の酸性改良のみとなっていたが、肥料によって有効石灰として保証ができるようになる。
今年から来年にかけて、配合規制の見直し、原料管理制度の導入、表示基準の設定、公的規格の見直し、表示の見直しについて、交付、施行に向けた作業が進められている。詳しい内容については、農林水産省のホームページを参照していただきたい。

以下、土づくり特集・肥料取締法を改正 地力の回復へ(2)へ続く

土づくり特集・肥料取締法を改正 地力の回復へ

重要な記事

ヤンマーSP

最新の記事

DiSC:SP

みどり戦略

Z-GIS 右正方形2 SP 230630

注目のテーマ

注目のテーマ

JA共済連:SP

JA人事

JAバンク:SP

注目のタグ

topへ戻る