【年頭あいさつ 2026】地域と共に歩む 持続可能な医療の実現をめざして 長谷川浩敏 全国厚生農業協同組合連合会代表理事会長2026年1月2日
JAcomでは、新年にあたり農林水産大臣をはじめ、JAグループ全国組織や農業関連団体のトップによる年頭あいさつを順次掲載する。食料安全保障の確保や農業を取り巻く環境の変化など、重要な課題が山積する中で、2026年に向けた各団体の考えと決意を伝える。
長谷川浩敏 全国厚生農業協同組合連合会代表理事会長
令和8年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。日頃よりJA厚生事業の推進に格別のご理解とご協力を賜り、心より厚く御礼申し上げます。
昨年の国内経済を振り返りますと、企業の賃上げの広がりや投資拡大により、景気は緩やかな回復基調を示し、個人消費を中心に内需の持ち直しも見られました。しかしその一方で、人口減少や地域の担い手不足といった構造的課題が一段と深刻化する中、物価高が家計や企業経営を圧迫し、地方経済の再生と医療・介護分野の持続可能性が改めて問われた一年でもありました。
農業情勢においても、物価高と農業生産資材価格の高止まりが続き、農家の収益を直撃しました。こうしたコスト増に加え、農業従事者の高齢化や労働力不足は依然として深刻であり、産地維持に向けた取り組みが厳しさを増しています。また、気候変動に伴う高温・豪雨・不安定な気象への対策も急務であり、生産基盤の強化、環境に配慮した営農、スマート農業の活用など、食料安全保障に向けて、持続可能な農業の確立がこれまで以上に重要性を増した一年でした。
保健・医療・介護の現場でも、物価高は大きな影響を及ぼしました。医療資材や医療機器、食材、光熱費など多方面でコストが上昇し、病院・施設の経営環境は厳しさを増しています。一方で、高齢化の進展により、地域で支え合う体制の構築が強く求められています。
さらに、医師の働き方改革の進展により、労働時間管理の徹底と業務の適正化が全国的に進められました。限られた医療人材のなかで質を維持しながら効率化を図り、安定的にサービスを提供していくためには、適切な診療報酬や処遇改善、そしてICT活用を含む効率化への財政的支援が不可欠です。制度改革の効果を地域に根付かせるには一定の時間を要しますが、持続的な支援と現場の創意工夫が今後ますます重要となります。
このような社会環境の変化のなか、保健・医療・介護サービスは、地域住民が安心して暮らせる地域社会を形成するための基盤であり、JAグループが掲げる「豊かでくらしやすい地域共生社会の実現」と深く通じるものです。厚生連の病院・施設は、地域に根ざし、保健・医療・介護を総合的に支える拠点として、地域の暮らしと命を守り抜くという重要な使命を担っています。
本年も、JA厚生連は、組合員および地域住民が日々健やかに生活できるように、地域の保健・医療・介護の確保と質の向上に全力で取り組み、地域社会の安心と希望を支える存在であり続けることをお誓い申し上げます。
結びに、皆様のご健勝とご発展を心より祈念申し上げ、新年のご挨拶といたします。
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