農薬:防除学習帖
農薬の上手な施用法2【防除学習帖】第82回2020年12月18日
前回から農薬の製剤を紹介しており、水和剤など水に希釈して散布する製剤を紹介した。今回はその続きで、それ以外の製剤の特徴を紹介する。
3.分類(1)剤型による分類
農薬が効果を発揮するためには、有効成分をムラなく農作物に付着させる必要があり、そのことを実現し、散布しやすいように工夫されているのが剤型である。剤型は、有効成分の性状(固体か液体か、水に溶けるか溶けないか)に合わせて多数のものがある。
前回、水に希釈して散布するもの(水和剤、エマルション剤、液剤、フロアブル剤、SC剤、水和剤、水溶剤など)を紹介したので、今回は、そのまま散布するもの(粉剤、粒剤、糞粒剤、ジャンボ剤など)、煙化して充満させるもの(くん煙剤)、ガス状の有効成分を直接施用するもの(くん蒸剤)、そのまま塗り付けるもの(塗付剤、ペースト)、製剤そのものを食べさせるもの(ベイト剤)、液体そのものを希釈せずに使用するもの(油剤)、肥料に農薬を混ぜたもの(農薬入り肥料)を紹介する。
これらの剤型の特徴は表に示したとおりであるが、いずれも製剤そのものを散布するものが多い。これらは、有効成分の効果を最大限引き出すために、また、効果的に施用できるように製剤の工夫がなされているので、製品ラベルに記載されている施用上の注意事項をよく読んで、その製剤に合った使い方を正確に行ってほしい。それが、その農薬の効果を最大限に引き出し、薬害を回避するために最も重要なことである。
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