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農薬:防除学習帖

トマト病害虫雑草防除のネタ帳 施用法④【防除学習帖】第204回2023年6月17日

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防除学習帖では、現在農薬の施用法について紹介しており、施用法自体は農薬散布全体に関係するものなので、作物を限定せずにご紹介している。
農薬には様々な製剤があって使い方も様々であり、これを安全にかつ上手に使いこなすためには、農薬の取り扱いやそれぞれに応じた施用法を知る必要があり、本稿では農薬の製剤や上手な施用法について、それらの基礎的な知識について順次紹介している。
今回は、農薬散布を行うのに適した条件についてご紹介する。

1.風

農薬散布を行う場合、風の影響が一番大きく、加えてドリフト等による圃場外への影響も最も多いので十分に注意する必要がある。その際に意識しなければならないのは風速である。
農林水産省の空中散布のガイドラインでは風速3m/s以下で散布することとなっている。

風速3m/sとは、時速に直すと10.8km/h(3m/s×3600s=10,800m=10.8km)となり、ジョギングしている時や扇風機の中風設定の時に受ける風ぐらいで、外であれば木の葉がかさかさ動き始める程度の風である。

これは、大体イメージつきやすいと思うが、実際のほ場ではもう一つ気をつけないといけないものがある。それは、植え付けられた作物が起こす乱気流である。ビル風など建物によって気流の乱れが起こることはよく知られているが、これと同じことが、ほ場では起こっている。作物を地面に建った建物と思えばわかりやすいと思うが、この乱気流は畑地よりも水田の方がより起こりやすい。

これで何が起こるかというと、粉剤やミストなどの軽い粒子は乱気流で吹き飛ばされやすく、作物の間に入り込むことができず、株間や株元まで薬剤が届かなくなることが多くなる。粉剤が効かないという場合、風による散布ムラが発生し、実は薬剤が作物にきちんと付着していなかったというのが意外と多い。

このため、農薬散布は、できるだけ無風状態で行う方のが一番よい。とはわかっていても、実際の散布時に無風状態で実施できることは稀なので、朝夕の風が極力少ない時間帯を狙うか、それ以外の時間帯に散布しなけらばならない場合は、風の影響の少ない薬剤を選ぶなど工夫する必要がある。

2.雨

雨が降ったらまず農薬散布はできない。

粒剤やフロアブル除草剤、ジャンボ剤のように雨でも散布可能な製剤もあるが、その場合でも、雨の中の散布はできれば避けたい。なぜなら、粒剤の場合は、粒剤が濡れた葉などに付着して、部分的な薬害の要因になったり、ジャンボ剤のように水に溶けるフィルムで覆われている場合は、どんなに注意していても、濡れた手袋などで触れると包装が破れやすくなってしまったりするからである。

水に希釈して散布する農薬は、特に雨の影響を受けやすい。例えば、雨で作物表面に雨滴が付着している場合、雨滴が邪魔をして散布液が作物に付着しにくいし、かろうじて薬剤が付着できたとしても、雨滴で薬液が薄まって効果の低下が起こる可能性が高くなる。

以上は散布時の話であるが、散布後であっても雨の影響は大きい。

なぜなら、薬液を散布後、乾燥・固着が不十分な時に雨が降ると、せっかく作物に付着した薬液が洗い流されてしまい、効果低下を起こすからだ。乾燥・固着が十分にできた後であれば、豪雨でなければ、効果に影響があるほど流れ落ちることはない。なので、気象情報などをよく把握して、散布後すぐに雨が降りそうな時は農薬散布を行わないようにした方がよい。散布日は、散布後に農薬が完全に乾燥する時間(最低2~3時間)が確保できる日を選ぶようにしたい。最近は1kmメッシュ気象情報などで、かなり正確な降雨予報が手に入るので、これらを利用すると良い。

また、乾燥・固着後も作物表面に付着した農薬が雨によって流されるので、雨が多い時などは、雨での流亡も考慮して散布間隔を短くするなどの工夫が必要となってくる。

農薬散布時の雨の影響については、農薬の製品それぞれのラベルの注意事項欄等に書かれているので、散布前によく確認しておき、それに応じた使用を心掛けてほしい。

3.気温

一見気温は関係なさそうであるが、実は重要な要因である。例えば、気温の高い日中では、温められた空気により上昇気流が発生し、粉剤などの軽い粒子の舞い上がり現象が起こる。これは、空気が温かいと軽くて上に上り、冷たいと重くて下に下がるという性質があるためである。晴天で日射が強い場合はさらに上昇気流が顕著になるので、晴天の多い季節には注意が必要である。また、気温が高いと散布者の疲労も増大するので、熱中症を予防し、軽労化のためにも涼しい時間帯で散布を終了できるようにした方がよい。

4.結露

作物の表面が結露し、水滴がついていると、降雨時の散布と同様に農薬製剤が付着しにくく、散布には不適な条件である。結露は、作物の蒸散や朝方の気温が低い時に空気中の水分が凝集して起こる。

朝方の散布の際に作物表面に露がついている場合には、露がなくなるまで待つか、夕刻に散布するか、もしくは露を払う作業を行って散布する方が望ましい。
露を払う作業では、無人ヘリやドローンなどを一旦ほ場の上を飛行させて露を落とす作業を行う場合もあるが、効率が悪くなるので、実際にはあまりなされないことが多い。

以上が、農薬散布を行う際に、注意しなければならない条件であるが、これらをよく考慮して、できるだけ農薬の散布に適した日を選ぶようにしてほしい。ただし、そのような条件を待っていたら、防除適期を逃してしまうことになるので、理想の条件が整わない場合は、比較的農薬散布に適した条件が整いやすい朝夕の気温が低いうちに農薬散布を済ませることを最低限守るようにする。

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