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農薬:防除学習帖

みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(71)【防除学習帖】第310回2025年8月9日

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 令和3年5月に公表され、農業界に衝撃を与えた「みどりの食料システム戦略」。防除学習帖では、そこに示された減化学農薬に関するKPIをただ単にクリアするのではなく、できるだけ作物の収量・品質を落とさない防除を実現した上でKPIをクリアできる方法を探っているが、そのことを実現するのに必要なツールなり技術を確立するには、やはりIPM防除の有効活用が重要だ。そこで、防除学習帖では、IPM防除資材・技術をどのように活用すれば防除効果を落とさずに化学農薬のリスク換算量を減らすことができるのか探っている。

 みどり戦略対策に向けたIPM防除でも、必要な場面では化学的防除を使用し、化学的防除法以外の防除法を偏りなく組み合わせて防除効果の最大化を狙うのだが、農薬のリスク換算量を減らせる有効成分や使用方法を選択できるようにするためには、農薬の有効成分ごとにその作用点、特性、リスク係数、防除できる病害虫草等を整理すると、より効率良く防除できてリスク換算量を減らすことができる道が探れると考えている。そのため、有効成分の作用機構ごとに分類し、RACコードの順番に整理を試みている。現在FRACコード表日本版(2023年8月)に基づいて整理し紹介しているが、整理の都合上、FRACコード表と項目の並びや内容の表記方法が若干異なることをご容赦願いたい。

32.MBI-P

 (1)作用機構:[I]細胞壁のメラニン生合成

 (2)作用点: メラニン生合成のポリケタイド合成酵素

 (3)グループ名:MBI-P:FRACコード[16.3]

 (4)殺菌剤の耐性リスク:低

 (5)耐性菌の発生状況:無し

 (6)化学グループ名/有効成分名(農薬名):
   MBI-Pには、現在のところ、1つの化学グループおよび有効成分名、農薬名がある。
       [1]トリフルオロエチルカーバメート/トルプロカルブ(サンブラス、ゴウケツ)

 (7)グループの特性:
   イネいもち病菌に特異的な作用を示し、イネいもち病菌が稲体に侵入する際に付着器内の膨圧を上げるために必要なメラニンの生合成を阻害し、その結果、稲体への侵入を阻害して防除効果を発揮する。
   前回紹介したMBI-Rがメラニン合成系の還元酵素の働きを阻害するのに対し、MBI-Pはメラニンの生合成の過程で重要な役割を果たすポリケタイド合成酵素の働きを阻害してメラニンの合成を阻害する。
   加えて、トルプロカルブは、細菌病と糸状菌病に対する全身抵抗性を誘導する活性も持っており、そのことによりイネが病害抵抗性を発動して防除効果を発揮する。このようにメラニン合成阻害と抵抗性誘導という複数の作用点を持つことで耐性菌発達のリスクを大きく減らし、安定した効果を発揮することができる。

 (8)リスク換算係数とリスク換算量削減の考え方:
     この化学グループに属するトルプロカルブはリスク換算係数0.1で基準年のリスク換算量は1.6トンである。リスクも少なく出荷量も少ない上、耐性菌の発生リスクも低く、複数のイネ病害に効果を示す貴重な薬剤であることから、稲病害の基幹防除剤として使用を続ける方が得策だと考える。

 (9)MBI-Pの農薬登録がある主要病原菌一覧
    MBI-Pの農薬登録がある主要作物・病害名・病原菌別有効成分の一覧を次表に示した。実際の使用前には必ず農薬ラベルにて登録内容(使用方法等)を確認して正しく使用してほしい。

MBI-Pの農薬登録がある主要病原菌一覧

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