人気は「くすんだ色」から「明るく元気な色」へ コロナ禍の生花業界レポート2020年12月15日
第一園芸は、コロナ禍における2020年の生花業界の変化をまとめた。3~5月の取扱数量は過去3年平均に比べ約3300万本減少、取り扱い金額も約41億円減った。生産者のリスク回避で流通量が増えたヒマワリは、前年同時期と比べ取引単価が約10%上昇した。
新型コロナウイルスの影響で卒業式・送別会シーズンの3月に始まり、結婚式やお別れ会など、年間を通して花を消費する機会が大量に奪われた今年。特に、3~5月の取扱数量は過去3年の平均に比べ約3300万本が減少、取り扱い金額も約41億円の減少となり、結婚式や葬儀などのお別れ会で供えられる多くの純白の花は行き場を失った。
これらの花は、毎年確実に需要があるため、当日のセリ購入ではなく事前の予約販売で入手することが多く、これまで生産者は比較的高額で販売することができた。しかし、今年は、生産者がイベント時期を狙って咲かせた花は長期保存できず、需要がなければ捨てざるを得ない状況だった。
リスク回避でヒマワリが人気
こうした状況から、リスクを避け、種まきから収穫までの回収が早い草花系にシフトする生産者も多かった。バラのように、高価で売れても花を咲かせるのに時間がかかる花は、せっかく咲かせても売れないリスクがあるため敬遠されるようになり、種まきから最短45日で開花するヒマワリなど、回収が早くスタンダードな花が多く出荷された。その結果、一般的にも認知があり、明るい花の代表であるヒマワリが市場での流通を伸ばし、全体的に生花の相場が落ちる中、ヒマワリは昨年並みに需要があり、取引単価も昨年同時期比で約10%上がった。
実際、コロナ以前の店頭では、グレーがかったくすんだシックな色合いで、乾いた質感の花に人気があった。しかし、コロナ後は、ヒマワリに代表される明るい色合いのみずみずしい花も人気だという。その理由として、第一園芸生花仕入担当の山下瞬氏は「早く出荷でき、かつ、売れ筋である明るい色合いの草花を育てたいという生産者の事情もあるが、明るくフレッシュな花を見て『不安を払拭したい』というコロナ禍を生きる消費者の潜在意識にマッチしたからではないかと考える」としている。
また、コロナ禍で大量のロスフラワーが生まれたことから、生産者を支えるために、官民問わず花の需要拡大に向けて様々な取り組みも行われた。
花の需要拡大に向けた取り組み
重要な記事
最新の記事
-
【特殊報】キュウリ黒点根腐病 県内で初めて確認 高知県2025年12月26日 -
【特殊報】ウメ、モモ、スモモにモモヒメヨコバイ 県内で初めて確認 高知県2025年12月26日 -
【注意報】トマト黄化葉巻病 冬春トマト栽培地域で多発のおそれ 熊本県2025年12月26日 -
【注意報】イチゴにハダニ類 県内全域で多発のおそれ 熊本県2025年12月26日 -
バイオマス発電使った大型植物工場行き詰まり 株式会社サラが民事再生 膨れるコスト、資金調達に課題2025年12月26日 -
農業予算250億円増 2兆2956億円 構造転換予算は倍増2025年12月26日 -
米政策の温故知新 価格や流通秩序化 確固たる仕組みを JA全中元専務 冨士重夫氏(1)2025年12月26日 -
米政策の温故知新 価格や流通秩序化 確固たる仕組みを JA全中元専務 冨士重夫氏(2)2025年12月26日 -
米卸「鳥取県食」に特別清算命令 競争激化に米価が追い打ち 負債6.5億円2025年12月26日 -
(467)戦略:テロワール化が全てではない...【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年12月26日 -
【スマート農業の風】(21)スマート農業を家族経営に生かす2025年12月26日 -
JAなめがたしおさい・バイウィルと連携協定を締結 JA三井リース2025年12月26日 -
「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業」採択 高野冷凍・工場の省エネ対策を支援 JA三井リース2025年12月26日 -
日本の農畜水産物を世界へ 投資先の輸出企業を紹介 アグリビジネス投資育成2025年12月26日 -
石垣島で「生産」と「消費」から窒素負荷を見える化 国際農研×農研機構2025年12月26日 -
【幹部人事および関係会社人事】井関農機(1月1日付)2025年12月26日 -
GREEN×EXPO 2027の「日本政府苑」協賛を募集 2027年国際園芸博覧会協会2025年12月26日 -
初の殿堂入り生産者誕生 産直アプリ「ポケットマルシェ」2025年生産者ランキングを発表2025年12月26日 -
災害時の食の備えを支援 新サイト「食の備え BOSAI」公開 コープこうべ2025年12月26日 -
直営7工場で2026年元日一斉休業を実施「働き方改革」を推進 サラダクラブ2025年12月26日


































