長野県須坂市で「農ケーション」の実証実験 温泉旅館とシャインマスカット農家など協力2021年6月10日
長野県須坂市で温泉旅館を営む株式会社古城荘とシャインマスカットの生産を行う岡木農園、アグリテイメント事業を行うQtas Japan合同会社の三社は、都市部在住のリモートワーク可能人材と、長野県須坂市の農業と観光業とのマッチング事業を開始。須坂市の協力を得て実証実験を行い、中長期のまちづくり施策として本格展開をめざす。
新たな地域振興モデルとして「農ケーション(農業体験+ワーケーション)」を提唱する取り組み。農業の慢性的な人材不足と地域経済の活性化、リモートワークによる働き方の多様化という3つのテーマに対して行われる。
農業の慢性的な人材不足は、コロナ禍で海外技能実習生の確保も難しくなっていることもあり、深刻化。また、地方の宿泊観光業においてもコロナの影響は大きな打撃となっている。一方で都市部のIT企業の80%以上がリモートワークを実施しており、個人の可処分時間は大幅に増加。それにともない、都市部で生活を続ける必要性も薄れつつあり、地方移住の機運も高まっている。今回は須坂市の協力のもと、行政、農業、観光業、そして都市部に住む個人の4者がそれぞれの課題解決に向けて実験を行う。
実証実験は6月下旬から7月上旬にかけ、東京在住の外資系IT企業勤務会社員が、須坂市の老舗旅館古城荘でリモートワークを行い、同じく須坂市内のシャインマスカット農家岡木農園での農業体験に従事。滞在期間中の生活は、各種シェアリングサービスなどを活用する。
「農ケーション」一日のタイムスケジュール
この実証実験を通じて、農家、都市部人材、地域観光の課題を解決する三方よしの事業モデルを構築するため課題を抽出する。実証実験に参加する古城荘の寺島代表は「今回の取り組みは須坂の隠れた魅力を引き出せる可能性があり、大いに期待している。また中長期で滞在者向けに、共同キッチンやレンタサイクルも用意した。同じ課題を抱えている旅館やホテルの参考にもなる結果を報告したい」とコメント。また、岡木農園の岡木代表は「都会の人が来て、手伝ってもらえるのは本当にありがたいし、きれいな空気を吸ってリフレッシュもしてもらえたら嬉しい。人手の問題だけでなく、農家はIT化も遅れているから、そういうところもアドバイスしてくれるような方が来てくれたら、農業全体のレベルアップにもつながるのでは」と期待を寄せている。一方、農ケーション参加者で都内IT企業勤務Tさんは「都内の一人暮らしでリモートワークのため、普段会話や外出がなく、リフレッシュがなかなかできない。今回は、いつも通り仕事を続けながら、毎日大好きなシャインマスカットに囲まれて、名湯での湯治もできると聞いて喜んで参加した。農業には元々興味があったのですがなかなか経験する機会がなかったので楽しみ」と話している。
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