コオロギの品種改良へ 徳島県美馬市に研究施設を設立 グリラス2021年7月16日
フードテックベンチャーの株式会社グリラス(徳島県鳴門市)は7月15日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施した2021年度「研究開発型スタートアップ支援事業/シード期の研究開発型スタートアップに対する事業化支援」の第1回公募に採択。新たに徳島県美馬市にある廃校を整備し、世界初となるコオロギの品種改良を目的とした研究施設を自社で立ち上げる。
コオロギの品種改良を目的とした研究施設に生まれ変わる旧美馬市立切久保小学校
同社は、徳島大学で25年以上にわたって行われてきた研究を基礎に、世界でもトップレベルのコオロギに関する知見やノウハウを活かすため、2019年に設立されたフードテックベンチャー。徳島大学が蓄積してきたコオロギ研究のノウハウを引き継いだ同社は、2025年から2030年の間に発生するとされている動物性タンパク質の深刻な不足と、現在世界各国で発生しているフードロスに関する問題を解決するため、食用コオロギの生産と原材料・加工食品としてのコオロギ製品を販売している。
現在流通しているコオロギの品種は野外で生育している個体を採取・繁殖させただけにとどまり、生産効率やコスト面において課題を多く抱えているため、食用利用に適した新品種の開発は喫緊の課題となっている。同社はこの状況を打破するため、今回の「NEDO STS事業」による補助を受け、旧美馬市立切久保小学校を世界初となるコオロギの品種改良を目的とした研究所として整備し、新品種を開発する。また、開発技術を向上することで、有用成分を多く含んだ品種の作り出し、品種開発の省力化が期待できる。
深刻な食料不足が見込まれている一方で、フードロスの発生という相反した社会課題の解決策として、食用コオロギが期待されている。昆虫は他の家畜と比べて1キロのタンパク質を生成するのに必要な餌や水の量が圧倒的に少ないため、限りある資源の有効活用が可能。また、温室効果ガスの排出量も少なく、環境負荷の低いタンパク源といえる。中でもコオロギは雑食の昆虫であるため餌の制限が少なく、世界中で発生しているフードロスを餌として飼育することが可能。このため、コオロギは、捨てられるはずのフードロスを活用して新たなタンパク質を生み出すフードサイクルが実現できる循環型食材で、持続可能な社会の構築に求められる"サーキュラーフード"になると考えられている。
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