営業利益15.5%増で過去最高益 2022年3月期3四半期決算 デンカ2022年5月12日
デンカは5月11日、2022年3月期決算短信を発表した。
売上高は、3848億4900万円と前年同期に比べ304億5800万円(8.6%)の増収。利益面では、スペシャリティー製品の伸長により、営業利益は401億2300万円(前年同期比53億9300万円増、15.5%増益)と過去最高益となり、売上高営業利益率は10.4%(0.6ポイント増)となった。また、経常利益は364億7400万円(前年同期比43億3100万円増、13.5%増益)。親会社株主に帰属する当期純利益は260億1200万円(前年同期比32億2700万円増、14.2%増益)となり、それぞれ過去最高を更新した。
部門別の内容は次のとおり。
◎電子・先端プロダクツ部門
球状アルミナや高純度導電性カーボンブラックは、xEV関連を中心に販売が伸長。また、電子部品・半導体関連分野向け高機能フィルムや球状溶融シリカフィラーは5G関連やデータセンターなどの世界的な需要の拡大により好調に推移した。このほか、自動車産業用向けの金属アルミ基板"ヒットプレート"や工業用テープの販売は増えた。LED用サイアロン蛍光体"アロンブライト"の販売も概ね堅調となったが、高信頼性放熱プレート"アルシンク"は電鉄向けの需要が低調。この結果、同部門の売上高は901億5200万円(前年同期比124億300万円(16.0%)増収)。営業利益は186億5600万円と前年同期に比べ44億4600万円(31.3%)の増益となった。
◎ライフイノベーション部門
新型コロナウイルスの抗原迅速診断キット"クイックナビ-COVID19 Ag"は、感染症対策の一環として迅速な抗原検査体制の充実を図る厚生労働省の配布事業に供給したほか、年明け以降の感染症の再拡大により販売数量が増加。また、その他の試薬についても国内、輸出とも順調な販売となった。一方、インフルエンザワクチンは、世界的な新型コロナウイルスワクチンの増産により生産用資材が不足したことに加え、ワクチン製造株の増殖性等の影響により生産数量が前年を下回り、出荷が前年を下回った。この結果、同部門の売上高は460億9800万円(前年同期比31億51百万円(7.3%)増収)。営業利益は154億9500万円と前年同期に比べ6億5800万円(4.4%)の増益となった。
◎エラストマー・インフラソリューション部門
クロロプレンゴムの販売は、世界経済の回復とともに産業用途や自動車用途など全般的に需要が増加に転じ前年を上回ったが、米国の子会社デンカパフォーマンスエラストマー社はハリケーン「アイダ」による上流サプライチェーンの混乱があり、生産停止を余儀なくされるなど影響を受けた。また、セメントは原燃料価格高騰に対して価格転嫁が一部にとどまったほか、特殊混和材の販売も前年を下回った。この結果、同部門の売上高は1068億7900万円(前年同期比150億2700万円(16.4%)増収)。34億7300万円の営業損失(前年同期は、営業損失35億53百万円)となった。
◎ポリマーソリューション部門
ABS樹脂、デンカシンガポール社のMS樹脂やスチレンモノマーの販売は堅調に推移。また、合繊かつら用原糸"トヨカロン"や雨どい、食品包材用シートおよびその加工品の販売は概ね順調となった。この結果、同部門の売上高は、原材料価格の上昇に応じた販売価格の見直しもあり、1265億7800万円(前年同期比166億94百万円(15.2%)増収)。営業利益は79億500万円と前年同期に比べ4億9400万円(5.9%)の減益となった。
◎その他部門
YKアクロス株式会社等の商社は、需要の回復により取扱高は増加したが、収益認識に関する会計基準の適用により減収となった。この結果、同部門の売上高は151億4000万円(前年同期比168億1800万円(52.6%)減収)となり、営業利益は19億400万円と前年同期に比べ11億8500万円(165.0%)の増益となった。
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