福島第一原発処理水を「海洋放出」東電の実施計画審査書案了承に抗議文を提出 生活クラブ2022年6月1日
生活クラブは5月27日、岸田文雄内閣総理大臣と萩生田光一経済産業大臣に向けて福島第一原発処理水の「海洋放出」する東京電力の実施計画審査書案了承に対して抗議文を提出した。
生活クラブは、1986年に起きた「チェルノブイリ原発」事故をきっかけに、生産者と連携し食品における独自の放射能基準を設けて取り組みを行なっている消費生活協同組合。2011年3月11日に発生した東日本大震災に伴う東京電力福島第一原発の事故で深刻な放射能汚染が広がった以降は、提携生産者への支援、市民団体と連携して原発事故被害者救済や脱原発社会をめざす活動を展開している。
同組合が27日に岸田首相と萩生田経産大臣に向けて提出した抗議文の内容は次の通り。
放射能処理水の「海洋放出」実施計画審査書案の了承に抗議します
2022年5月18日に、原子力規制委員会は福島第一原発で生じている放射能処理水を海洋放出する東京電力の実施計画審査書案了承について以下の点から強く抗議します。
1. 民主的な合意形成が行われていません
JF全漁連(全国漁業協同組合連合会)のホームページによれば、2022年4月5日に岸会長と会談した萩生田経済産業大臣は関係者の理解なしには海洋放出しないとの漁業者側との約束を遵守する考えを示した上で、「漁業者を含む関係者の理解なしには如何なる処分も行わない」と語っています。また岸会長はJFグループのスタンスについて「国民の皆さま、全国の漁業者の理解を得られないALPS処理水の海洋放出に断固反対であることはいささか変わることはない」と語っています。
しかし全国の漁業者との合意は得られていないにも関わらず、報道によると4月25日に沖合1キロの放出口まで海底トンネルを掘る「シールドマシン」を発進場所に設置するなどすぐにでも着工できる状態となっており、「海洋放出ありき」で進められてきています。
2.トリチウム以外の放射性物質の残留量や総量が明らかになっていません
放射能処理水には、トリチウム以外にもさまざまな放射性物質が含まれています。東京電力はトリチウム以外の放射性物質について「二次処理して基準以下にする」としていますが、どのような放射性物質がどの程度残留するか総量は示されていません。これらの放射性物質の環境蓄積、生体濃縮などが起こりえるため、これらの取り込みによる人々の内部被ばくも懸念され、安易に海洋放出する案は到底受け入れることができません。東京電力に任せるのではなく、政府として処理水に含まれる放射性物質の状況把握し公開することを求めます。
3.処理水の海洋放出による漁業と子供たちの将来への悪影響が懸念されます
放射能処理水の海洋放出による風評被害が出れば、漁業に壊滅的な打撃を与えることは必至です。これまで復興に努力してきた漁業関係者に大きな失望と与え、再び漁民の生活や希望を奪い去ることになります。また、有害物質に対する人権に関する特別報告者、身体的および精神的健康に対する権利に関する特別報告者など、国連の専門家ら5人が2021年3月11日に「汚染水を太平洋に放出することは、子どもたちの将来的な健康リスクを高める」など、人権侵害にあたるとの声明を発表しました。
地元の漁業者や市民との合意形成を行わずに、海外の国からも批判があるなか、海洋放出する東京電力の実施計画審査書案を了承したことは妥当性に欠けるものです。放射能処理水に含まれる放射性物質の全容把握を優先させ、保管するタンクの新たな敷地の確保や他の代替案の再検討を強く求めます。
以上
重要な記事
最新の記事
-
【浜矩子が斬る! 日本経済】平和と経済の関係 人権侵す戦争とは乖離2026年3月19日 -
3カ年計画の着実な実践へ 5つの重点取組事項 2026年度JA共済事業計画2026年3月19日 -
配合飼料供給価格 トン当たり約1250円値上げ 2026年4~6月期 JA全農2026年3月19日 -
「有機」「オーガニック」 内容知らない消費者6割強2026年3月19日 -
【世界を診る・元外交官 東郷和彦氏】米国大統領の"変貌" 日本外交も節目2026年3月19日 -
「備蓄米の機動的買い戻しを」 米価下落懸念し特別決議 米どころ山形のJA県中央会2026年3月19日 -
飲用に使われた桜とニセアカシアの花【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第381回2026年3月19日 -
加工食品におけるカーボンフットプリント(CFP)算定ガイドを改定 農水省2026年3月19日 -
「花がなくてもかまわない消費者」にどう向き合うか【花づくりの現場から 宇田明】第81回2026年3月19日 -
今年は5月10日「母の日プレゼントキャンペーン」開催 JAタウン2026年3月19日 -
TOKYO FMホリデースペシャル「春のうまいもの祭」JA全農提供の3番組がコラボ2026年3月19日 -
【役員人事】JA三井リース(4月1日付)2026年3月19日 -
【Jミルク26年度計画】脱粉削減拡充も 生乳需給安定へ検討2026年3月19日 -
第67回全国家の光大会レポート 記事活用、教育文化活動が力2026年3月19日 -
水稲など13品目に対応「土壌診断AI」開発 土壌管理の高度化と生産性向上に期待 農研機構2026年3月19日 -
北信地域の農業を支える新拠点「農機具王 長野中野店」4月1日オープン2026年3月19日 -
富山県氷見市および市内5団体と包括連携協定を締結 タイミー2026年3月19日 -
農業現場のぬかるみ対策 プラスチック敷板「V-MAT」がNNTD登録 プラス2026年3月19日 -
鳥インフル 米国からの生きた家きん、家きん肉等輸入を一時停止 農水省2026年3月19日 -
冷感+遮熱「valborder」から「遮熱冷感ナイロンコンプレッションウェア」登場 コメリ2026年3月19日


































