地域見守る協同の力 配達時の人命救助で県知事感謝状 パルシステム神奈川2025年1月17日
生活協同組合パルシステム神奈川は1月15日、地域見守り活動により神奈川県民の命を救った事業者として県から表彰された。県内の湘南(藤沢市)、横浜北(横浜市緑区)、横須賀3拠点の配送センター長が、職員を代表し、黒岩祐治知事から感謝状を手渡された。
表彰状を受け取った横浜北(左)、湘南(中央)、横須賀(右)のセンター長
人命救助で表彰を受けたのは、生協などの宅配をはじめ新聞や乳製品の販売店など、県と「地域見守り活動に関する協定」を締結する15の事業者と販売店。定期的に利用者宅を訪れる業態の特性を生かし、訪問時に配達品や新聞などがたまっているなど日ごろとは異なる状況を察知して、市町村や警察署・消防署への通報により人命救助につなげたことが表彰された。
黒岩知事は表彰式に当たり「100歳以上の人口が全国で9.5万人となる現在、地域の高齢者一人ひとりを見守るには、直接足を運ぶ皆さんの存在が何より大切。『ともに生きる』社会を理念とする県内で昨年、23人の命を救った皆さんの献身的な努力に感謝します」と各事業者の見守り活動をねぎらった。
表彰の対象となった職員はいずれも、パルシステムが宅配業務を委託する株式会社ロジカル(東京都足立区)の職員。
表彰されたパルシステム神奈川横浜北センターの安藤弘一郎職員は2023年10月、体調不良を訴える利用者に救急車出動要請を呼びかけたが、不要とされた。翌週は配送商品がなかったが様子を見るため、訪問。呼び鈴にも電話にも出ないため、該当区の福祉保健課と連絡を取り、施錠された玄関を警察立ち合いで開けると、利用者が室内で倒れており、緊急搬送により一命をとりとめることができた。
また、横須賀センターの佐々木磨世職員は同年11月、いつも相対する利用者が玄関先に現れないため外から声をかけると、体調不良で起き上がれないと返答があった。本人の了承を得て救急車を呼び、到着まで付き添い無事医療機関につなげた。
このほか、湘南センターの神座直央職員は2024年5月、商品配送時に滑って頭部を強打した利用者に対し、出血の状況などから職員とセンターで相談して家族の帰宅を待たず速やかに消防に通報し、救急搬送につなげた。
パルシステム神奈川は、初めて表彰を受けた2013年度以降、今回が8回目。いずれも高齢独居世帯での事例が多く、事業者の立場での個人情報保護に配慮しながら、市町村や警察・消防署と速やかに連携したことが評価された。
県内66事業者とともに見守る日々の暮らし
神奈川県は2012年5月から、高齢や独居世帯の緊急事態をいち早く発見し、行政の支援につなげることを目的とする「地域見守り活動に関する協定」を県内事業者と順次締結。パルシステム神奈川は2013年3月に締結した。
2025年現在は、生協や農協、信用金庫などの協同組合をはじめ、調剤薬局など高齢世帯の暮らしに欠かせない66の事業者が地域住民を見守る。各事業者は利用者の普段の暮らしを見守ることで、些細な異変も察知できるよう目を配り、緊急事態に孤立し放置されない地域づくりへ一役を担う。
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