豆腐づくりの原点に返った「職人(クラフト)豆腐」新発売 温豆乳を使用する新製法開発 アサヒコ2025年2月6日
豆腐メーカーのアサヒコ(東京、池田未央代表取締役)は3月から、国産大豆のみを使った新たな旗艦商品「職人(クラフト)豆腐」を発売する。同社は「豆腐復権宣言」を打ち出し、豆腐づくりの原点に立ち返る「クラフト豆腐」プロジェクトを進めてきた。「職人(クラフト)豆腐」以外の豆腐や油揚げでも合計12アイテムの新商品や既存商品のリニューアルを実施する。
アサヒコ「クラフト豆腐」プロジェクト発表会(左からアサヒコの齋藤直人執行役員生産本部長兼行田工場長、
池田未央代表取締役、JA全農の石沢孝和麦類農産部部長)
プロジェクトでは、生産部門に独自の「豆腐マイスター制度」を新たに導入し、「職人(クラフト)豆腐」などに生産した職人名や国産大豆の品種と産地を打刻。乳化剤を使わずに沖縄産の海水から自家製のにがりを開発し、豆乳を熱いまま凝固させる「温凝固」の製法も開発した。通常の凝固では豆乳を一度冷やすが、「温凝固」は「風味やおいしさが劣化しないが、技術は難しい」という。大豆は国産の「里のほほえみ」「おおすず」「ミヤギシロメ」「エンレイ」などを厳選し、豆乳濃度は通常より10%増やすことで甘みも向上した。
「職人(クラフト)豆腐」シリーズ
「職人(クラフト)豆腐」は、しっかりした食感の「硬派仕込」ととろける食感の「清純仕込」の絹豆腐2種類を発売する。価格は192円(価格はすべて税込み)。油揚げでも新たに特製クリーム入りでふんわりとした食感にした「職人(クラフト)あげ」(1枚214円)を加える。豆腐(「雪どけ絹」)と枕崎産かつお節、正田二段熟成醤油をセットにした「匠の冷やっこ」(278円)も新商品となる。
豆腐のリニューアルでは国産大豆への切り替えや、豆乳濃度を10%高めたり、海洋深層水を使うなどした。対象は主力商品の「大山阿夫利」「大地と海の恵み」(ともに絹・木綿)と「雪どけ絹」。油揚げでは特製クリームを生地に加えて「昔あげ」(1枚106円、2枚171円)を一新した。
アサヒコは1972年に「日本で初めて充填豆腐の量産に成功」し、近年はサラダ感覚「豆腐バー」が人気商品となり、単価アップも実現している。しかし、豆腐市場全体は低価格競争の影響を受け、この10年は金額ベースで「年平均4~5%縮小」(池田社長)が続き、業界の倒産・廃業も増加傾向にある。そこで業界全体の活性化に向け、豆腐への関心が高い潜在消費者層に向けた「クラフト豆腐プロジェクト」を始めた。
同社ではこうした動きを業界全体に広げるため「大豆生産者、メーカー、流通業のサプライチェーン全体での取り組み」を目指している。スーパーなど流通業に対しては他メーカーのこだわった豆腐を集積する売り場や「クラフト豆腐」棚の設置も提案している。プロジェクトの発表会にはJA全農の石沢孝和麦類農産部部長も登壇し「国産大豆の4割から5割が豆腐向け。国産大豆の消費が増えれば農家も安心して生産できる好循環につながる」と期待を寄せた。
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