障害者アート披露目会を開催 リース初導入で雇用創出 パルシステム神奈川2026年4月6日
生活協同組合パルシステム神奈川は3月26日、新横浜本部で初となる障害者アートの展示「パル・アート」の披露目会を開き、約50人が参加した。作品はリース契約で3か月ごとに入れ替え、さまざまなアーティストの作品に触れる機会をつくり出し、支援団体との継続的な関係性を構築する。
司会を担当した坂井職員(左)と朝倉課長
披露目会には、神奈川県福祉子どもみらい局やアーティストの所属団体、パルシステム神奈川の役職員などが駆け付けた。司会の採用育成課の坂井洋介職員と朝倉和男課長は冒頭、パルシステム神奈川の2030年ビジョン「だれもが認めあい、ともにいきる地域づくり」実現に向けた活動の一環として、県の助言も受け障害のある人が活躍する場づくりのため「パル・アート」展示を開始する経緯を紹介した。
「パル・アート」は、新横浜本部で初めて導入するアート作品展示の仕組み。今後は配送拠点の宮前、麻生、横浜北の3センターでの導入が決定しており、全13センターでの設置を目指す。作品は各地域の支援団体と年間のリース契約を結び、3か月を目途に入れ替えられる。
リース代金は、障害者雇用調整金を活用。パルシステム神奈川は、法定雇用率を超える21人の障害のある職員が活躍していることにより、支給される給付金で、今後、県内の各事業所を訪れる人たちにアートを紹介する資金とし、障害者の更なる活躍の仕組みを作る。
作品の交換時にも調整金を活用し、今後各拠点で契約する支援団体に作業を依頼。交換時にはアーティストや作品を紹介する取材や交流も予定し、障害の特性により事業所での定期就労が難しい人も活躍できる新たな仕組みを目指す。
行政・生協・地域の連携で広げる共生社会
藤田理事長は「豊かな感性で制作された芸術に触れ合う機会を作ることができ、幸せな気持ち。県は『ともに生きる社会かながわ憲章』を掲げ、当会2030年ビジョンと共通する考えを大切にしています。行政や地域団体など多様な関係者とともに、アーティストが安心して社会参画できる準備を整え、美しいラインや色使いに触れて元気をもらい、互いに心豊かな暮らしを実現できるよう交流していきましょう」とあいさつした。
やまゆり事件を機に制定された憲章Tシャツで参加した大野さん(左)と同局の松本勇哉さん
福祉子どもみらい局共生推進本部室の大野智信共生担当課長は「生活協同組合による障害者の就労機会創出に敬意を表します。会場には県主催の『かながわともいきアート展』」で目にした作品もあり、改めて迫力を感じます。今日の26日は、2016年7月に津久井やまゆり園での事件が起きた月命日。事件から10年を迎える節目に、事件を風化させないよう障害者への理解と社会参画を更に広げていきます。県としてもパル・アートを応援します。一緒に地域共生社会を目指しましょう」と呼びかけた。
ものづくりが生み出すアート
展示作品を手掛けたのは、NPO法人ぷかぷか(横浜市青葉区)が運営する「アート屋わんど」で活躍する平本吉胤さんと三好綾さん。統括の魚住佐恵さんは「2人はいつも絵を描いているのではなく、団体が運営する農場や、総菜・菓子・パンなどの店舗での作業もこなしながら、注文を受けた作品などを制作します。利用者それぞれが違う個性と能力を発揮し、生活の中の様々な物作りを通してこそ生まれる作品だと感じます。スタッフは毎日幸せを分けてもらっています」と所属するアーティストを紹介した。
地域資源を活用した看板
各拠点のアート作品を紹介する看板は、NPO法人横浜移動サービス協議会(横浜市中区)が運営する就労継続支援B型事業所 IKIIKIカンパニー(横浜市中区)の竹千代丸さんが制作。最後の一筆は、披露目会直前に会場で仕上げ「4会場分の看板の竹を鉈(なた)で割って手が痛くなり、決まった幅に文章を収めるなど苦労した。何とか間に合い完成しました」と作業の苦労を語った。
サービス管理責任者の星野英俊さんは、横浜市内の農家の高齢化により放置される竹林が課題になっていることを受け、竹を譲り受け作業所で活用する事業を紹介し「依頼を受けた看板製作は、新たな商品化のアイデアにつながりました」と話した。看板の竹は配送拠点宮前センターの敷地内から刈り取り、地域資源の活用と環境保全にもつなげている。
「パル・アート」の披露目会の参加者
会場では、NPO法人ぷかぷかが製造したパンや菓子が振る舞われ、参加者が共に味わいながらアート作品を鑑賞。会場のテーブルには竹千代丸さんはじめIKIIKIカンパニーの利用者が制作した「竹あかり」などの竹製品を飾り、専用の工具を用いて仕上げる工夫などが紹介された。平本さんも詳細な工夫が施された立体作品のこだわり一つひとつを参加者に説明した。
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