流通:食は医力
【シリーズ・食は医力】第78回 口の中も健康ですか?2015年11月12日
口の中の病気ほど気になるものはありません。私事ながら若い頃しょっちゅう口内炎に悩まされ、痛くて仕事に集中できず、ましてや食事の楽しさなどまったく味わえないことがありました。
歯槽膿漏もそうですが、口の中の病気は命にかかわることが少ないせいか、案外、軽んじられているようです。今日は大事な口の中を探索してみましょう。
◆同じ粘膜の腸を良くする
口内の最大の特徴は常に唾液が活躍していることです。唾液には消化作用に加えて殺菌作用もあり、多少のバイキンは唾液によって殺されてしまいます。だから唾液の量が減って口の中が乾燥しがちな状態は用心しないといけません。
口の中が細菌で化膿したりすることがあまりないのは唾液のおかげです。ケガで出血したときツバをつけたことはありませんか(主に男児)。あれは消毒薬代わりの古来の知恵なのですね。
さて口内炎は文字どおり炎症ですが、粘膜の傷が唾液ぐらいでは治らない状態です。歯で粘膜をかんでしまいそこが修復されないのもよくあることです。
細胞の再生がうまくいかないと穴が開いた状態になり、しみたりして刺激が続きます。これは本当に不快なものです。
こうした状態は、ビタミンB2の不足のほか、ストレス、アレルギー、ウィルスなどによって引き起こされます。腸の状態を反映していることもあるので、患部だけ手当てしても治らないのが普通です。
ハチミツがいいというので盛んになめたけれど、あまり効果はありませんでした。とはいえハチミツは粘膜の保護に有効だそうですから、効く場合もあるのでしょう。食品ではありませんが、漢方ではキハダコも挙げられています。
あまりにひどいときは医師に相談したほうがよいかもしれませんが、できるだけ体の状態を良くして自然治癒を図るのが何よりです。
大事なことは同じ粘膜である腸の状態を良くすることです。そのためには良い食事をすること。外食は減らし、ふだんより豆類、野菜、海藻などを多めにするに心掛けるといいでしょう。レモン、レバー、小魚、ヨーグルトなども効果が期待できます。
◆歯ぐきマッサージで血流改善
口の中の病気としては歯槽膿漏も、原因としては似たようなものです。つまり粘膜の毛細血管にきれいな血液が流れなくなってしまうため粘膜細胞が劣化している状態であって、口内炎のほうがやや軽症なだけという専門家もいます。
ですから食の乱れをなくすこと、ストレスを減らすこと、薬品や添加物のような化学物質をできるだけ少なくすること、歯ぐきマッサージをすること、などが歯槽膿漏においても重要です。とにかく血液の質と流れが鍵を握っています。
歯ぐきマッサージすることで血流が良くなりますから、多少の出血なら問題はありません。ウミも一緒に出ていってくれるはずで、これは大事なことです。
歯ブラシでなく指で磨いてもいいですが、ナスの黒焼きによるマッサージの効果が古くから伝えられてきました。
わが家でも以前、利用していたのですが、洗面が飛散で黒くなってしまうのでやめてしまいました。よほどひどい歯槽膿漏の人にはいいと思いますが(自然食品店で粉か練りを売っています)、そんなわけで積極的にはお勧めしていません。
◆口臭でわかる体のイロハ
口の中の病気で悩ましいのは口臭です。車内で大きなあくびをされて顔をそむけることがしばしばですが、あくびの際、口を手で覆うというマナーをしない人に限って口臭がひどいようで・・・(偏見でなく個人的統計です)。
その口臭ですが、歯槽膿漏、胃酸過多、腸内での異常発酵などによることが多いので、クロロフィルの多い緑黄色野菜、殺菌力の高いミョウガやショウガ、それにハトムギも多少は効果が期待できそうです。歯磨きも日に2、3回はすること。口臭は体のバロメーターでもあり、軽んじてはいけません。
で、口内炎の私事ですが、食生活を変えてかれこれ40年、ぴたりと消えてしまいました(むしろストレスが減ったためかもしれませんが)。
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