新たに13課題をスタート 農研機構生研センター2013年4月19日
農研機構生物系特定産業技術研究支援センターは4月16日、25年度から新たに研究をスタートする13課題を公表した。25年度は緊急プロジェクト(緊プロ)の新規課題はない。
13課題は、それぞれ生産性の向上、食の安全・安心、省力化、環境負荷の低減などを実現するための研究だ。今回の新規課題で特徴的なのは、農作業事故の軽減についての研究が3課題ある点だろう。
農水省では農作業中の死亡事故を減らそうと23年から安全確認運動の取り組みを強化したが、生研センターでも安全対策について特別の研究グループをつくるなどの取り組みを進めている。
今回、新規課題に決まった3課題は、[1]自脱コンバインにおける巻き込まれ事故の未然防止技術の開発[2]刈払機の安全性向上に関する研究[3]農用運搬車用転倒シミュレーションプログラムの開発、だ。
[1]は、磁気を利用した手袋を装着するなどして、コンバインへの巻き込みを防ごうとする技術。
[2]は、クラッチを切っても惰性で回転し続ける刈羽が急速に止まるような装置の開発をめざす。
[3]は、これまで4輪式やクローラ仕様の運搬車にのみ対応していたプログラムを、さまざまな仕様の運搬車にも対応できるよう新たに開発しようというもの。これらの運搬車は従来、実機による実験でしか調査ができず、調査にコストや時間がかかっていた。
このほか、注目の研究課題としては、傾斜地でも均等に施肥ができる野菜用の高速局所施肥機や、加工用ハクサイの収穫機などがある。ハクサイ収穫機は、ヤンマーとの共同研究として今夏から一般発売を予定しているキャベツ収穫機を改良したもので、作業の省力化、・低コスト化の実現をめざす。
(イラストは農用運搬車用転倒シュミレーションプログラムのイメージ)
◇
全13課題は次の通り。
▽バイオマス由来素材による育苗培地固化技術の開発
▽自脱コンバインにおける巻き込まれ事故の未然防止技術の開発
▽大豆用畝立て播種機の高速化技術の開発
▽超音波を利用した農作物の病害防除装置に関する研究
▽野菜用の高速局所施肥機の開発
▽加工用ハクサイ収穫技術の開発
▽軟弱野菜の調量機構の開発
▽高速汎用播種機の開発
▽個別給餌を行う繋ぎ飼い飼養体系における残飼料検出技術の開発
▽農用エンジン評価試験の高度化に関する研究
▽刈払機の安全性向上に関する研究
▽農用運搬車用転倒シミュレーションプログラムの開発
▽乗用型電動ロータリ耕うん機の開発
(関連記事)
・新型農機など5件を選定 農業新技術2013(2013.04.08)
・農機巻き込まれ事故防止の新技術 農研機構(2013.03.22)
・25年度の委託プロジェクト決定 ゲノム研究など8件 農林水産技術会議(2013.01.24)
・今年の農林水産研究成果10大トピックスを発表 セシウム除去技術など(2012.12.14)
重要な記事
最新の記事
-
地域複合農業戦略に挑む(2)JA秋田中央会会長 小松忠彦氏【未来視座 JAトップインタビュー】2024年4月19日
-
農基法改正案が衆院を通過 賛成多数で可決2024年4月19日
-
【注意報】さとうきびにメイチュウ類 伊是名島で発生多発のおそれ 沖縄県2024年4月19日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:JA水戸 那珂川低温倉庫(茨城県) 温湿度・穀温 適正化徹底2024年4月19日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ対策を万全に 農業倉庫基金理事長 長瀬仁人氏2024年4月19日
-
食農教育補助教材を市内小学校へ贈呈 JA鶴岡とJA庄内たがわ2024年4月19日
-
【浅野純次・読書の楽しみ】第97回2024年4月19日
-
(380)震災時は5歳【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年4月19日
-
【JA人事】JA道北なよろ(北海道)村上清組合長を再任(4月12日)2024年4月19日
-
地拵え作業を遠隔操作「ラジコン式地拵機」レンタル開始 アクティオ2024年4月19日
-
協同組合のアイデンティティ 再確認 日本文化厚生連24年度事業計画2024年4月19日
-
料理酒「CS-4T」に含まれる成分が代替肉など食品の不快臭を改善 特許取得 白鶴酒造2024年4月19日
-
やきいもの聖地・らぽっぽファームで「GWやきいも工場祭2024」開催2024年4月19日
-
『ニッポンエール』グミシリーズから「広島県産世羅なしグミ」新発売 JA全農2024年4月19日
-
「パルシステムでんき」新規受付を再開 市場の影響を受けにくい再エネ調達力を強化2024年4月19日
-
養分欠乏下で高い生産性 陸稲品種 マダガスカルで「Mavitrika」開発 国際農研2024年4月19日
-
福島県産ブランド豚「麓山高原豚」使用『喜多方ラーメンバーガー』新発売 JAタウン2024年4月19日
-
微生物農業資材を用いた大阪産の減肥料栽培で共同研究開始 ナガセケムテックス2024年4月19日
-
栃木県真岡市産バナナ「とちおとこ」使用「バターのいとこ」那須エリア限定で新発売2024年4月19日
-
大阪泉州特産「水なす」農家直送で提供開始「北海道海鮮にほんいち」2024年4月19日