人工腐植技術により塩害被害から回復 国土防災技術(株)2015年10月27日
国土防災技術(株)は10月20日、純国産フルボ酸による土壌改良で千葉県山武市の塩害被害を半年で回復させたことを公表した。
国土防災技術(株)が開発した「人工腐植技術(液体資材)」は、「純国産フルボ酸」が主要素材として使用されている。
◆海外輸入していたフルボ酸を、純国産で量産できるようにした
フルボ酸は自然界に微量しかない貴重な資源で、通常は腐植土壌(注)に多い。森林や土壌に存在する有機酸の1つとして植物にミネラルを補給する役目を担う。ほかにも植物に必要な肥料の交換能力を高めたり、効率よく肥料吸収を図り光合成量を向上させ酷暑期の耐性を高める効果もある。
これまでのフルボ酸はカナダ等から輸入で入手していた。しかし、度重なる採掘が腐植土層の破壊になり、環境悪化を招いているという指摘もあり、問題となっていた。
同社は国内森林資源のみを使った人工腐植土と純国産のフルボ酸を作ることに成功し、特許を取得した。
◆塩害からの回復
今回発表のあった千葉県山武市は、東日本大震災で東北を襲ったものと同じ津波の被害にあった。井戸を掘ると塩水が出てくる土地で、田んぼで水稲を作付しても、1年目は枯れてしまった。
そこでフルボ酸を用い除塩した結果、2年前まで10aあたり1俵しか収穫できなかった水田が、2015年3月にフルボ酸を用いて半年経過したところ、9俵収穫まで改善できた。食味は80を超え、水田の所有者に米の購入希望者が殺到したという。
同社は他にも「人工腐植技術」で森林緑化等の環境改善、宮城県の枯れた桜除塩、中国大陸の除塩など様々な公共事業で成果を上げている。
また「森林資源を利用したフルボ酸量産化技術の開発」で、平成27年度(第16回)民間部門農林水産研究開発功績者の農林水産技術会議会長賞民間企業部門で受賞している。
(注)腐植土壌とは、森林生態系で動植物により生産された有機物が堆積し、微生物により分解され土状になったもの。
(写真下)2013年草刈り後でフルボ酸散布前の水田、2015年9月フルボ酸散布し田植えしてしばらく経過した水田、左が除塩した水田(生育が良好で倒伏にも強くなった)
重要な記事
最新の記事
-
【JA全農の若い力】家畜衛生研究所(2)病理検査で家畜を守る 研究開発室 中村素直さん2025年9月17日
-
9月最需要期の生乳需給 北海道増産で混乱回避2025年9月17日
-
営農指導員 経営分析でスキルアップ JA上伊那【JA営農・経済フォーラム】(2)2025年9月17日
-
能登に一度は行きまっし 【小松泰信・地方の眼力】2025年9月17日
-
【石破首相退陣に思う】しがらみ断ち切るには野党と協力を 日本維新の会 池畑浩太朗衆議院議員2025年9月17日
-
米価 5kg4000円台に 13週ぶり2025年9月17日
-
飼料用米、WCS用稲、飼料作物の生産・利用に関するアンケート実施 農水省2025年9月17日
-
「第11回全国小学生一輪車大会」に協賛「ニッポンの食」で応援 JA全農2025年9月17日
-
みやぎの新米販売開始セレモニー プレゼントキャンペーンも実施 JA全農みやぎ2025年9月17日
-
秋元真夏の「ゆるふわたいむ」ダイニング札幌ステラプレイスで北海道産食材の料理を堪能 JAタウン2025年9月17日
-
JAグループ「実りの秋!国消国産 JA直売所キャンペーン2025」10月スタート2025年9月17日
-
【消費者の目・花ちゃん】スマホ置く余裕を2025年9月17日
-
日越農業協力対話官民フォーラムに参加 農業環境研究所と覚書を締結 Green Carbon2025年9月17日
-
安全性検査クリアの農業機械 1機種8型式を公表 農研機構2025年9月17日
-
生乳によるまろやかな味わい「農協 生乳たっぷり」コーヒーミルクといちごミルク新発売 協同乳業2025年9月17日
-
【役員人事】マルトモ(10月1日付)2025年9月17日
-
無人自動運転コンバイン、農業食料工学会「開発特別賞」を受賞 クボタ2025年9月17日
-
厄介な雑草に対処 栽培アシストAIに「雑草画像診断」追加 AgriweB2025年9月17日
-
「果房 メロンとロマン」秋の新作パフェ&デリパフェが登場 青森県つがる市2025年9月17日
-
木南晴夏セレクト冷凍パンも販売「パンフェス in ららぽーと横浜2025」に初出店 パンフォーユー2025年9月17日