農業用パイプラインの破裂防ぐ装置開発 農研機構・旭有機材(株)2016年12月15日
農研機構と旭有機材(株)は12月9日、農業用パイプラインに使われる小口径の塩化ビニル管(塩ビ管)の疲労破壊予防のため、圧力変動緩和装置の開発を公表した。既存の農業用パイプラインの空気弁用マンホールに設置でき、導入することで塩ビ管が壊れる可能性を減少できる。
農業用水のため地中に設けた農業用パイプラインの破損事故は年間約6700件と推定されている。この事故の半数以上が支線の水路の小口径管(口径450ミリ以下)で起こり、多くが塩ビ管で生じている(上図)。これは、水管理の際の給水弁の開け閉めで管内の圧力が瞬時に変動したり、繰り返したりしたときの管内壁面の引っ張り応力が原因。
今回、塩ビ管の疲労破壊を予防する圧力変動緩和装置を開発した。下図のように空気室、空気弁、オリフィス、穴あき逆止弁から構成される装置は、緩衝材や圧力変動の低減などの役目を持つ。
弁閉塞後の管内圧力の最大振幅を26%減少させるこの装置を導入すると、1MPaの水圧を繰り返し受け続ける塩ビ管(口径300A)の疲労破壊を起こすまでの期間は4倍長くなる。
この装置は既存の空気弁を設置するマンホールより大きな空間が必要。導入にあたり、従来の空気弁と比較して直径200ミリで約80万円増、直径300ミリで約180万円増となる(12月9日現在)。注文は旭有機材(株)で受け付ける。
塩ビ管が壊れにくくなることで修繕費を大幅に軽減できるため、製品化に向けて2017年度に畑地かんがい用支線管路で現場の整備が想定されるコストに収まるか検証していく。
(写真上)塩ビ破裂事故の状況、左から破裂で陥没した道路、管の破損状況
(写真下)圧力変動緩和装置の構成
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