コムギの光合成 2段階の葉緑体発生過程を経て成立 遺伝子発現マップ作成 理研など共同研究2021年5月26日
理化学研究所(理研)環境資源科学研究センターバイオ生産情報研究チームの持田恵一チームリーダー、高萩航太郎大学院生リサーチ・アソシエイト、ロンドン大学ロイヤル・ホロウェイ校のエンリケ・ロペス准教授らの国際共同研究チームは、パンコムギ(コムギ)の葉の発生過程について詳しく調べ、コムギの光合成機能は、2段階の葉緑体発生過程(色素体増殖期と葉緑体成長期)を経て成立することを明らかにした。

この研究成果は、作物の収穫高に影響する葉の発生や光合成機能の理解と作物の生産性向上に有用な遺伝子の同定や育種に貢献すると期待される。
今回、国際共同研究チームは、コムギの葉の成長方向に沿って、細胞の大きさ、葉緑体が細胞内に占める割合や葉緑体ゲノムのコピー数の変化などの細胞学的な観察を行い、葉原基細胞や葉肉細胞とその内部で発達する葉緑体の状態から、コムギの葉の発生過程を15段階に分類。そして、各発生段階の葉組織について、葉緑体の分化と発達、細胞分裂の周期、タンパク質・遺伝子発現などの観点から調査した。これらのデータを統合し、各発生段階を特徴付けるとともに、コムギの葉の発生に関してはこれまでで最も網羅的で詳細な遺伝子発現マップを作成した。さらに、各発生段階で特徴のある細胞学的な変化と遺伝子発現状態から、コムギの葉における光合成機能が2段階の葉緑体の発生過程を経て成立することを明らかにした。同研究は、科学雑誌「Genome Biology」オンライン版(5月11日付)に掲載された。
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