室内の鉢植えバラを美しく保つには?「上方照射法」に効果 東京大学2021年6月8日
東京大学大学院農学生命科学研究科附属生態調和農学機構の矢守航准教授らは、室内にある鉢植えのバラに、根元から上向きの光をあてることによって、バラを美しく保つことができることを明らかにした。同研究成果は6月2日、アメリカ園芸学会誌「HortScience誌」で発表された。
切り花を長期間美しく保つ方法については、数々の研究が行われてきた。室内での鉢植えの管理方法についてはまだあまり明らかになっていないが、同研究は、できるだけ省スペースでバラをキレイに咲かせたいという主婦目線の雑談の中から生まれた。
ミニバラに3パターンの照明をあてて検証
室内環境で、鉢植えのバラのつぼみがちゃんと咲くようにするには、照明をあてる必要がある。一般に、植物に光をあてるときには、上の方に設置した下向きの照明を使うことが多いが、そのためには背の高いスタンドライトや照明器具を取り付ける支柱などを新たに用意しなければならない。また、上から光をあてていると、下の方の葉が枯れてしまうという問題もある。
そこで、薄暗い室内の環境に置いた鉢植えのミニチュアバラを、(1)追加の照明なし、(2)上から下向きの照明をあてる(下方照射)、(3)下から上向きの照明をあてる(上方照射)という3つの条件で2週間、葉の枯れ具合や花の咲き方を調べた。その結果、追加の照明がないと根元に近い葉が枯れてしまい、つぼみの大半が茶色い変色。これは、室内のような薄暗い環境では、バラの生育は困難だということを示している。
下方照射と上方照射で比較すると、上から照らす下向きの照明では、花はよく咲いたが、下の方の葉は枯れてしまった。しかし、下から照らす上向きの照明をあてると、下の方の葉が枯れるのを防ぐことができ、つぼみも3分の2以上が開いた。このことから、下から照らす上方照射が植物体下部の葉の老化を抑制することがわかった。また、花芽については、上から照らす下方照射の方がより多く開花したものの、下から照らす上方照射でも3分の2以上が開花しており、いずれもほぼ同等の開花促進作用があることがわかった。
以上から上向きの照明(下方照射)は、葉も花も美しく保つことができ、照明を設置するためのスペースも必要ないため、室内で手軽にバラを楽しみたい人におすすめの方法といえる。また、病院など室内で植物を管理する際の新たな選択肢になると考えられる。
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